大林組は、NECとともに、共同開発した「バックホウ自律運転システム」を改良し、適用範囲を拡大した。改良したバックホウ自律運転システムは、センサーやカメラの認識機能を高度化し、バックホウに設置することで、屋内外を問わず状況が変化する多様な現場環境でも、従来と同様の精度で自律運転が行える。
大林組は、NECとともに、共同開発した「バックホウ自律運転システム」を改良し、適用範囲を拡大したことを2022年11月28日に発表した。
両社は、2019年に「バックホウ自律運転システム」を開発して以降、建設現場での利用拡大に向けて共創活動を続けてきた。一方、従来のシステムでは、トンネル工事現場など、バックホウの作業場所が限定された建設現場を対象とし、バックホウの動きや盛土の掘削と積み込みポイントを算出するために、各種センサーやカメラをトンネルの天井などに固定していた。
そこで、両社はバックホウ自律運転システムを改良した。新たなバックホウ自律運転システムは、各種センサーやカメラをバックホウに装着したことで、バックホウが移動しても姿勢と位置や周辺環境のデータを取得し、掘削ポイントと積み込みポイントを正確に判断でき、多様な現場環境で使えるようになった。
加えて、従来はあらかじめ堆積された土砂の積み下ろしだけに対応していたが、今回のシステムでは、任意の地点に運搬され積み下ろされた土砂の積み替え作業や積み下ろし場所の清掃作業を自律化する制御技術を搭載している。これにより、自律運転で行える作業内容が増えるため、現場労働者が実施する業務の負荷軽減と省力化を実現した。
また、複数の建機が連動して協調運転するように制御する建機フリートマネジメントシステム(FMS)などの管理システムと連携するインタフェースも備えている。このインタフェースは、外部からの指示によってバックホウの自律運転が行え、他の自動化・自律化重機との連携にも対応する。
さらに、バックホウの制御と並行して建機FMSからの指示を処理するため、自律運転を妨げることなく他の重機との連携が行える。
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