LCCM×CLTの木造戸建て賃貸住宅が上棟、見学会で建て方の工夫や部材の特徴を披露CLT(2/2 ページ)

» 2022年12月05日 07時00分 公開
[遠藤和宏BUILT]
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現場内に部材を仮置きし道路での荷取り時間を削減

 さらに、建て方の工夫では、現場内に部材を仮置きすることで、住宅街の道路での荷取り時間を削減し、近隣住民への影響を抑えただけでなく、決められた時間内で作業を完結するように建て方計画を策定した。CLT以外のパネルも工場で加工することにより、現場で産業廃棄物排出量を削減。

現場内に部材を仮置き

 建物の仕様について、外壁の外断熱では、外装材に窯業系防火サイディングを、断熱材に50ミリの「押出法ポリスチレンフォーム」を、被覆材に15+15ミリの「繊維混入セメント板」と12.5+12.5ミリの「石こうボード」を、躯体に「CLT120」と「中空壁(充填断熱材として100ミリのグラスウール24Kを利用)」を採用し、床断熱には60ミリの「ビーズ法ポリスチレンフォーム」を導入している。

外壁の外断熱

 屋根の外断熱では、屋根材に大東建託が独自開発した「短尺鋼板屋根」を、屋根断熱に80ミリの「フェノールフォーム」を、屋根に「CLT150」を採用。

 環境配慮に関しては、屋根に京セラ製の太陽光発電設備「ECONOROOTS-TypeL(再生可能エネルギーが9.0キロワット)」や熱効率が95%の高効率給湯器などを配置する。建築環境総合性能評価システム「CASBEE 戸建て」の「Aランク」を取得し、住宅・建築SDGs推進センターからLCCM住宅の認定を受けた。

 メンテナンスについては、技術者によるアフターサービスの無償点検を行うだけでなく、建物の資産価値と生活環境を維持する目的で、ビルディングキーパーにより2カ月単位で建物の点検と建物定期報告書を用いた点検結果の報告などを実施する。

LCCM戸建て賃貸住宅の概要

 今回のLCCM戸建て賃貸住宅は、高さ7.02メートルの木造地上2階建てで、延べ床面積は95.36平方メートル。所在地は東京都練馬区石神井5丁目1059-22。

開発中のLCCM戸建て賃貸住宅
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