三菱地所は、板の層を積層接着した大型パネルCLTを構造材とする8階建てオフィスビル「千代田区岩本三丁目計画(仮称)」を新築着工したと発表。2020年3月末完工予定。完成後は賃貸オフィスとしての運用を予定している。
三菱地所は2019年5月29日、東京都千代田区で8階建てオフィスビル「千代田区岩本三丁目計画(仮称)」を新築着工したと発表した。「CLT(Cross Laminated Timber、直交集成板)を構造材とした6階建て以上の事務所建築は国内初」(同社)だという。完工は2020年3月末、完成後は賃貸オフィスとして運用を予定している。
本計画は、板の層を各層で互いに直交するように積層接着した大型パネルであるCLTを、3〜8階の床に使用した。
1フロア当たりのCLT材の使用面積は55.68m2、建物全体では334.08m2となる。上層から4層は1時間耐火仕様、5層以下は2時間耐火仕様で、フロアごとに耐火仕様を使い分けることでコストダウンを図る。
宮城県仙台市における先行プロジェクト「PARK WOOD高森」での事例を基に、鉄骨梁の加工の削減、CLTの新しい接合方法の確立、天井周りの空間が広がる新たな鉄骨梁耐火仕様の開発が可能となり、材料費や施工費を軽減する。
木材利用促進のために、外装には木ルーバーを使用。内装や家具などにも木質材の導入を検討している。
三菱地所は、これまでもCLTの普及に取り組んできた。国土交通省の「平成30年度サステナブル建築物等先導事業(木造導入型)」に採択されている本計画は、密集市街地におけるモデルケースとして、これまで木材利用率が低かった高層非住宅建物におけるCLT利用の普及促進につながるとしている。
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