大成建設は、エーエスとともに、2009年に共同開発した半導体製造装置向け高性能免震装置「TASSユニット」を改良し、「新型TASSユニット」を開発した。今後、両社は、半導体製造装置向け高性能免震装置であるTASSユニットのラインアップに新型TASSユニットを追加し、国内外を問わず広く普及・展開していく。
大成建設は、エーエスとともに、2009年に共同開発した半導体製造装置向け高性能免震装置「TASSユニット」を改良し、多様な形状の半導体製造装置に対応して、短期で納品が可能な「新型TASSユニットを開発したことを2022年11月22日に発表した。
地震時の揺れを低減し半導体製造装置の損傷を防ぐTASSユニットは、2009年の初適用以降、国内と台湾で既に3000台以上が採用され、継続的に納入実績を伸ばしている。
しかし、従来型のTASSユニットは、半導体製造装置の形状や重量配置に合わせて免震装置(支承ユニット)を個別に設計しており、その製作納期が半導体の製造開始に直接影響を及ぼしていた。
そこで、両社は、従来型では一体で製作していた、転がり支承と設置架台を分離製作(現場組立)する方式に改良し、転がり支承の共通ユニット化と設置架台の合理化によって、さまざまなタイプの半導体製造装置に応じる新型TASSユニットを開発した。
新型TASSユニットは、一台あたり8組の車輪とレールが一体となった自立可能な小型の転がり支承を共通ユニット化することで、支承の最適配置と部品のストックなどを実現している。
使用されている設置架台は、従来型とは異なりH形鋼を使用した、連結可能な合理的な鉄骨構造で、支承ユニットとは分離で製作しているため、半導体製造装置の形状などに合わせて容易に作れる他、設置架台の剛性は従来型と比べて3〜5倍程度向上している。
新型の有効性に関して、転がり支承の共通ユニット化と設置架台の分離製作により、免震装置を受注してからの製作期間を、従来型の2〜3カ月と比較して約半分の1〜1.5カ月に短縮可能。
加えて、設置架台の剛性がアップしたことで、半導体装置を設置した架台の歩行振動が抑えられるため、半導体製造プロセスに与える影響を減らせる。
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