エイターリンクのAirPlugは、各種のセンサーやカメラなど、デジタル信号を扱うデバイスに給電するのに適している。これは、データの送受に利用されるBluetoothに必要な電力が年々下がっていることと関係する。
岩佐氏は、2019〜2020年頃に、Bluetoothの消費電力がマイクロ波を使ったワイヤレス給電で賄える電力量よりも少なくなったことに触れ、「(消費電力低減に伴い)マイクロ波ワイヤレス給電で応用できるアプリケーションが増えてきた」と、その環境の変化を説明した。
昨今のIoTデバイスの爆発的な増加も、AirPlugの普及には好材料だ。現時点でもIoTデバイスは多様な用途で活用されてはいるが、その数はこれからも増え、2040年には世界で45兆個のセンサーが必要になると予測されている。当然ながら、その個々のセンサーごとにバッテリーを交換したり、配線を接続したりすることは現実的ではない。
その点、AirPlugであれば、無線によってセンサーに電力を供給し、センサーが取得したデータはBluetoothで受信するので、ケーブルは一切必要としない。そのため、設置場所の自由度が高く、断線の心配も皆無だ。また、動きの速いロボットアームや回転部、エリア内を移動する装置にも取り付けられる。さらに、バッテリーや配線の製造などに関するCO2の排出も無くなるという環境面でも大きなメリットを有している。
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