大和ハウス工業と米Autodeskは、これまでBIMを核に取り組んできた建設DXをより深化させるべく、3度目となる戦略的連携に関する覚書を交わした。
大和ハウス工業と米Autodeskは2022年11月2日、建設業におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)の取り組みをより加速させるために、新たな戦略的連携に関する覚書を締結した。
両社は先立つこと2018年8月31日に、大和ハウス工業社内でのBIM化を進める目的で、戦略的連携に関する覚書を交わしている。その後、大和ハウス工業のBIM基盤作りと建設DXに向けたデジタルプラットフォームを整備するとともに、グローバル企業との交流支援やロボット活用、AI、全社での設計BIM100%からの施工BIMへの展開、BIMデータのクラウド活用を中心に連携してきた。
2020年9月30日に締結した第2弾の覚書では、両社は連携をより深め、建設DX本格化を見据えたBIM連携や共有データ環境の構築、新たな働き方やワークフローも視野に入れた建設生産プロセスやBIM周辺のツール類を整えた。主に図面作成に使用していた設計段階のBIMモデルを見積もりや工場製作のデータなどの次工程にも連携したり、施工現場の進捗確認に役立てるなど、BIMの活用バリエーションを増やしている。
今回のMOU締結は、BIMやDXの取り組みを新たなステージへと引き上げるための第3弾合意となる。建設現場で日々変化するさまざまなデータをBIMに集約し、データドリブンな意思決定ができるように進化させることで、建設業界におけるエンジニアリングデータとなることを目指す。
具体的には、建設デジタルプラットフォームの構築、次世代の“工業化建築”の進化、BIMを含むデジタル人財の育成、設計から施工につながるBIM活用とロボット施工などのデジタルコンストラクション実現、グローバル企業との技術交流に加え、大和ハウスグループ全体での相乗効果を目標に掲げている。
両社の調印式。左から大和ハウス工業 上席執行役員 技術統括本部副本部長 河野宏氏、米Autodesk チーフカスタマーオフィサー エリザベス・ゾーンズ氏、大和ハウス工業 上席執行役員 建設DX推進担当 南川陽信氏 提供:大和ハウス工業、オートデスク大和ハウス工業の将来ビジョンでは、継続してデジタル化を推進し、設計・施工だけではなく、企画からアフターサービスまでの一貫したプロセス改革に着手する。また、AutodeskはBIMのソフトウェアベンダーとして、グローバルな専門知識とノウハウを集め、大和ハウス工業のDX加速や人財育成、グローバル化の加速を支援していく。
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