冷房と暖房の切り替えは、スイッチ操作と、吹出し口下部のファスナー開閉の2種類。冷房時はファスナーを閉鎖することで低速給気となり、暖房時はファスナーを開放することで高速給気となる。
機器自体の設置工事については、空調機の室内機と熱源機(室外機)は一体型となっており、熱源機(室外機など)の設置工事や配管工事は不要で、電源工事とダクト工事だけでシステム構築が完了する。空調機のアリーナ側は、安全性に配慮した形状および衝撃吸収構造とし、競技時の安全を確保。ビニール風船型の吹出し口が破損した場合は取り換えられる。
実証試験の期間は、2022年9月から2023年8月までの1年間で、体育館向け空調設備の最適な運転方法や機器性能/耐久性の検証、冬期実測を行う。これまでの夏期検証では、避難所テントを敷設した状態で空調設備を運転して、居住域を効率よく冷却し、かつ障害物がある場合にも部屋の隅々まで冷房が行き渡ることを確認している。
今回の検証を経て、高砂熱学工業はシステムの実用化を進め、各自治体や民間の運動施設への導入を提案していくとしている。
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