建設技術研究所は、電気通信設備を対象に、図面や数量の作成効率化と精度向上を図るべく、AutoCAD上で動作する自動作成ツールを開発した。
建設技術研究所は、電気通信設備の設計で用いる数量計算書の自動作成ツールを開発したと2022年9月9日に発表した。自動作成ツールを用いることで、図面や数量計算書の作成効率化と精度向上につながるだけでなく、発注手続きを含めた電気通信設備の整備推進にも寄与する。
これまで電気通信設備の詳細設計で、設計図(配線系統図、配線図、アイソメトリック図※1)作成、数量計算、積算の工程では、転記やカウント作業が手作業で行われていた。そのため、ヒューマンエラーが発生しやすく、ミス防止のための確認に多くの時間を要してきた。
※1 アイソメトリック図:略称はアイソメ図で立体を斜めから見た視点で表示した図のこと
電気通信設備の設計で、特にミスが起きやすいのは、下図の1.配線系統図と2.配線図から3.アイソメ図を作成する工程(転記作業など)、4.数量を拾い出す工程(カウント作業など)。建設技術研究所ではC♯言語で開発した数値の集計/データ出力のプログラムとCADや表計算ソフトのAPIを用いることで、対象の工程を自動化できるツールを開発し、ヒューマンエラーを排除することに成功した。
自動作成ツールは、AutoCAD上で動作し、最初にCAD上の配線系統図と配線図を選択し、CADソフトのAPIを介して読み込んだ図面上のオブジェクトの関連性と寸法データを処理することでアイソメ図を自動的に生成する。
次に、アイソメ図からケーブルなど材料の数量を拾い出し、Microsoft Excelのファイル形式で数量計算書が自動で生成されるまでが一連の流れとなる。
建設技術研究所では、ツールを活用し、電気通信設備設計の工程全般の効率化と精度向上を図る。また、電気通信設備の整備推進のために引き続き技術開発を行い、さらなる効率化や高精度化の推進に努めていく。
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