高圧電気事故の予兆検知技術が「スマート保安技術カタログ」掲載へ：導入事例

スマート保安プロモーション委員会は、『高圧絶縁監視機能の導入による高圧地絡停電事故の予兆検知技術（技術区分：IoTセンサー）』について、停電事故の予兆検知に有効な技術であると評価した。

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スマート保安プロモーション委員会（事務局は、製品評価技術基盤機構：NITE）は、「高圧絶縁監視機能の導入による高圧地絡停電事故の予兆検知技術（技術区分：IoTセンサー）」について、停電事故の予兆検知に有効な技術として評価したことを発表した。本件について、スマート保安技術カタログ（電気保安）第2版に掲載し、2022年7月29日にNITEのWebページで公開した。

　スマート保安技術カタログとは、電気設備の新たなスマート保安技術をカタログとしてまとめたものだ。今回掲載された技術は、地絡事故防止のために受変電設備と高圧配電線との間に設置されている高圧交流負荷開閉器（PAS：Pole Air Switch）に取り付けて使用する制御装置に関する技術だ。同技術を用いることで、「微地絡」と呼ばれる地絡事故の前兆現象（予兆）を検知する。大きな事故が起きる前に設備点検やメンテナンスを行うことで、停電事故防止が可能になる。

　開発元の戸上電機製作所では、零相電圧（Vo）、零相電流（Io）波形データを収集・分析した。設備のどの機器でどんな予兆が起きているかを自動判断する故障予知技術の確立に向け、実証実験に取り組んでいる点などがスマート保安技術モデルとして活用・導入につながると評価された。

地絡動作、微地絡検出領域の図解　出典：独立行政法人製品評価技術基盤機構のプレスリリース

スマート保安技術カタログの活用イメージ　出典：独立行政法人製品評価技術基盤機構のプレスリリース

　NITEは経済産業省からの要請を受け、IoTやAI、ドローンなどの新たな技術の導入により新規技術やデータを活用した新たな保安技術の妥当性を評価する場として、スマート保安プロモーション委員会を立ち上げた。同委員会では、学識経験者などからなる委員が、申請のあった技術案件の代替性・実効性・経済性などを評価する。スマート保安技術として妥当と判断されれば、技術カタログに記載しNITEのWebページ上で公表している。

,スマート保安プロモーション委員会の位置付け　出典：独立行政法人製品評価技術基盤機構のプレスリリース