kiipl&napの入柿雅一氏は、「当社は、ドローンを用いたインフラ点検のサービスなどを提供している会社で、水上と陸上のオリジナルドローンを開発するメンバーや測量士といった30人の社員が所属している。実績に関しては、風力施設の点検が全国で162基で、水力施設の点検が全国で43カ所だ。今回は、建築物の外壁や風力発電ブレードを対象にしたドローン点検の事例を紹介する」と延べた。
某所にある建築物外壁の点検事例では、DJI製ドローンのMatrice 300 RTKとズームカメラ「Zenmuse H20T」で撮影した外壁の画像が建物のどこに位置するかを特定する手法と赤外線画像を使用して外壁の異常箇所を見つける方法について説明した。
「Zenmuse H20Tには、建物全体を撮影した画像の一部を格子状のマス目で区切り、マス目をズームで撮影し、全体の画像で位置を見える化する“グリッド機能”があり、この機能を利用することで撮った外壁の位置が容易に分かるようになる。マス目の画像は拡大率を100〜400%まで変えられるため、細部のひび割れなども確認しやすい」(入柿氏)。
赤外線画像を活用して外壁の異常箇所を見つける方法に関して、大気と壁面の温度を計測しつつ、日照の時間と方角を踏まえて、ドローンに搭載されたカメラで撮影した外壁の赤外線画像を分析することで高精度の結果が得られるという。
さらに、kiipl&napでは、Matrice 300 RTKとZenmuse H20Tにより空中で撮った外壁の赤外線画像と、Teledyne FLIR製のサーモグラフィーカメラ「FLIR T860」やソニー製のデジタル一眼レフカメラを用いて地上で撮影した赤外線画像を比較したところ、ドローンは対象の近くに寄って壁と正対したアングルで撮れるため、異常箇所が発見しやすいことが判明した。
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