東急建設と野原ホールディングスは、施工BIMデータからの建材の精密プレカット施工で、生産性向上と環境負荷の軽減効果を検証した。
東急建設と野原ホールディングスは、施工BIMデータからのデジタルツイン連携で、乾式壁に関わる建材の精密プレカット施工とその効果実証を共同で実施したと2022年7月に公表した。
実証実験は、国土交通省「令和3年度BIMを活用した建築生産・維持管理プロセス円滑化モデル事業(パートナー事業者型)」に採択されている。
今回の実証は2021年6月〜2022年3月に東京都港区の東急虎ノ門ビル増築工事作業所で実施。ビル内装工事の一部を従来施工とBIMデータからの精密プレカット施工に分け、現場施工の工数や廃材、CO2排出量、安全性などを実数実測のうえ数値化。その結果、従来施工に比べ、BIMプレカット施工は現場作業の生産性向上、廃材やCO2排出量の削減、安全性といった複数面での具体的な効果を確認した。
具体的には、プレカット施工により、壁下地となるLGS(軽量鉄骨)の組み込みや石膏(せっこう)ボードの貼り作業時間が30〜50%減少し、現場施工が効率化された。また、現場での高速カッター使用回数が4割減ったことで、騒音が生じず、高速カッターや工作用カッターの誤操作による指の裂傷事故防止など、労働災害を防ぐ効果があることも分かった。
さらに、プレカットBIMモデルで事前に建材数量を正確に把握することが可能なため、適切な数量の建材発注により、従来施工との比較で発注数量に対する現場廃材量(CO2重量%)が4.6%削減された。
今後両社では、実証結果と課題を踏まえ、他用途物件でも共同実証を継続していく。そして、さらなる効果創出により、東急建設が掲げる3つの提供価値「脱炭素」「廃棄物ゼロ」「防災・減災」に向けた取り組みを更に加速化させていく。
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