全国道路施設点検データベースの詳細な点検データの公開開始:維持検査・点検
国土交通省道路局では、デジタル道路地図等を基盤として各種データを紐付けるデータプラットフォーム「xROAD」の構築中であり、その一環として、2022年5月から「全国道路施設点検データベース〜 損傷マップ 〜」の基礎的なデータを無料公開していたが、2022年7月12日より、詳細なデータの有料公開を開始した。
国土交通省道路局では、デジタル道路地図などを基盤として各種データを紐(ひも)付けるデータプラットフォーム「xROAD」の構築中であり、その一環として「全国道路施設点検データベース」の整備を進めている。2022年5月から「全国道路施設点検データベース〜損傷マップ〜」の基礎的なデータを無料公開していたが、2022年7月12日より、詳細なデータの有料公開を開始した。
全国道路施設点検データベースの概要 出典:国土交通省プレスリリース
同データベースは、橋梁、トンネルなどの諸元、点検結果などの基礎的なデータを持つ基礎データベースと、道路施設のより詳細なデータを持つ詳細データベースで構成されている。道路施設の定期点検は2巡目に入っており、道路管理者ごとに蓄積されているさまざまな仕様の膨大な点検・診断のデータを一元的に活用できる環境を構築し、研究機関や民間企業などによる技術開発を促進。これらによる維持管理の効率化・高度化なども目指す。
APIも公開し、オンラインでの手続きによりWebブラウザで閲覧利用できる。
公開するデータ 出典:国土交通省プレスリリース
データベースの活用に係る料金 出典:国土交通省プレスリリース
今後は、地方公共団体などの道路管理者との連携によるデータの拡充や、国土交通データプラットフォームとの連携を進めていくという。
ベースとなるxROADでは、DRMデータベース(デジタル道路地図データベース)や道路基盤地図情報、MMSなどを基盤とした3次元プラットフォームを構築し、構造物など
の諸元データや交通量などのリアルタイムデータをAPIで紐付けている。施策検討や現場管理などに活用するとともに、APIを公開し、一部データを民間開放し、オープンイノベーションを促進していく。
道路データプラットフォーム、xROADの構築 出典:国土交通省プレスリリース
- 路面異状の記録を効率化する新システムや監視カメラ画像のAI解析による交通量算出
国土交通省は、高速道路の更新計画や維持管理方法などを議論する場として、社会資本整備審議会 道路分科会 国土幹線道路部会を定期的に開催している。2020年8月21日に開いた第41回の部会では、国土交通省の担当者がITを活用した路面管理の手法を紹介し、また宮城県知事の村井嘉浩氏が、新型コロナウイルスが県内の交通量に与えた影響などに触れ、料金所での接触を減らすETC設備の増設や観光業を支援する道路ネットワークの強化を国に求めた。
- 進むインフラ老朽化、“達人頼み”を補う技術が続々登場
日本の道路や橋梁、トンネルなど、インフラの老朽化が加速している。いまだに多くを人手によって点検・整備・補修しているこの領域だが、労働人口減少により現在の手法では対応が難しくなり、先進技術の活用に注目が集まっている。2015年7月22〜24日に東京ビッグサイトで開催された「インフラ検査・維持管理展」での出展内容を紹介する。
- 道路管理車にセンシング機を搭載して3次元データを収集、国交省
国土交通省は、道路管理用の車両に、レーザーやカメラなどのセンシング装置を搭載し、道路上の3次元データの収集を開始する。センシング技術の導入により、電子化が遅れている地方道の情報を効率的に集めて電子化し、特大トラックなどの通行を審査している「特車通行許可審査」を迅速化することがねらい。
- 2014〜2017年で橋梁の点検実施率80%、“予防保全”の修繕は進まず
国土交通省は、道路点検の実施状況や点検後の措置状況をとりまとめた「道路メンテナンス年報」を公表した。2014年以降の4年間で点検の実施状況は、橋梁80%、トンネル71%、道路附属物75%と着実に点検が進んでいることが判明した。
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