日本貨物鉄道は、東京都品川区の「東京貨物ターミナル」駅構内で開発を進めていたマルチテナント型物流施設「東京レールゲートEAST」が2022年7月15日に竣工したことを発表した。これにより、東京レールゲートEASTと、先行稼働した「東京レールゲートWEST」「DPL札幌レールゲート」を併用するとともに、JR貨物グループ各社の機能を結集し、入居テナントに対する集荷、配達、保管、荷役、梱包、流通加工などの物流関連事業をまとめた総合物流サービスの提供が可能になる。
日本貨物鉄道(以下、JR貨物)は、東京都品川区の「東京貨物ターミナル」駅構内で開発を進めていたマルチテナント型物流施設「東京レールゲートEAST」が2022年7月15日に竣工したことを同月22日に発表した。
開発地は、「首都高速湾岸線大井南インターチェンジ(IC)」から約1.3キロの場所にあり、「首都高速羽田線平和島IC」から約2キロのエリアに位置し、「東京港国際コンテナターミナル」から約1.5キロで、「羽田空港」から約3.5キロと、陸・海・空の物流結節点として多様なニーズに応えられる。首都圏の半径20キロ圏もカバーでき、配送拠点として優れる。
東京レールゲートEASTに設置された事務所の天井高は、全フロアで約3.5メートルを採用し、開放的なオフィス空間を実現した。倉庫の天井高は5.5メートルで、シャッター下は4.0メートル(車路は4.5メートル)を確保している。
将来は、倉庫1階の北側に冷蔵庫(5度)と冷凍庫(マイナス20度)の対応エリアを設ける他、北側のトラックバースは12フィートコンテナ用フォークリフトが乗り入れられる仕様とした。さらに、利用者のために施設内にカフェテリアを配置している他、各階にベンダー室を設置。敷地内にはドライバー用の休憩室も設け、快適な職場環境を提供している。
BCP対策に関しては、東京湾平均海面から7.45メートルの地域に位置し、高潮と津波発生時の浸水可能性が低い。加えて、建物は接道(都道316号線)より高い地盤面に建設されている。
今回の施設では、地盤との間に免震装置が搭載されているため、地震発生時に建物内の揺れを軽減し、荷物転倒の可能性を減らして、被害を最小限に抑えられる。
一方、停電発生時には、建物内に完備された非常用発電設備が倉庫・事務所などの一部に電気を72時間供給し、事業継続を後押しするだけでなく、災害時に断水するケースを踏まえ、プライベートな空間を確保した衛生的なマンホールトイレを用意している。
環境配慮については、屋上に設置された太陽光発電設備で、共用部の電力を補える電力を館内に供給する。倉庫には、LED照明や人感センサーを採用しており、不在時には減光し消費電力量をカットしている。
また、庫内の熱負荷軽減を目的に屋上緑化や雨水を利用した植栽灌水設備、電気自動車充電スタンドの設置、敷地入口付近におけるシェアサイクル用サイクルポートの整備など、さまざまな環境配慮型設備を導入している。
こういった取り組みにより、建築物省エネルギー性能表示制度「BELS」の「5スター」評価を取得しただけでなく、実施設計段階で建築環境総合性能評価システム「CASBEE」の「Aランク」に相当する仕様で建設しており、竣工後、認証取得の申請を行っている。
東京レールゲートEASTは、S造(一部CFT造)地上5階建てで、延べ床面積は17万4404.85平方メートル。所在地は東京都品川区八潮3丁目1-3(地番)で、敷地面積は7万6493.40平方メートル。施工はフジタが担当し、竣工と入居は2022年7月15日。
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