竹中工務店は、東芝ライテックやホーチキとともに、火災の発生場所に応じて危険な経路に人が進入しないような表示を行う「避難口誘導灯」を共同開発した。今後は、大規模商業施設や展示場のような不特定多数が利用する施設、大規模倉庫など、避難経路が複雑な施設への適用拡大を目指す。
竹中工務店は、東芝ライテックやホーチキとともに、火災の発生場所に応じて危険な経路に人が進入しないような表示を行う「避難口誘導灯」を共同開発し、日本消防設備安全センターのシステム評価を取得したことを2022年7月5日に発表した。
人が多く集まる施設では、避難口や避難方向を指示するために、避難口誘導灯などの設置が義務付けられている。一方、一定規模以上の建物では、火災や災害の発生時に、建物にいる人が速やかかつ安全に避難するように、複数の避難経路が計画されている。
しかし、出火場所によっては、一部の避難経路が使えないケースがあり、そこにつながる避難口誘導灯が表示されたままだと、避難者が誤って危険な避難経路に誘導される恐れがあった。
そこで、竹中工務店は、東芝ライテックやホーチキとともに、火災の発生場所に応じて危険な経路に人が進入しないような表示を行う避難口誘導灯を開発した。新たな避難口誘導灯のシステムは、避難経路上で火災が生じた際に、火災により使用が困難となった避難経路上の避難口誘導灯に進入禁止(×印)の表示を実施することで、火災状況に応じて安全な避難口へ誘導する。
さらに、採用することで、火災状況に合わせて避難が可能になり、建物利用者の安全性を向上させる他、スタッフの避難誘導業務をサポートできる。
具体的には、自動火災報知設備と連動して避難口誘導灯に進入禁止が表示されるため、安全な避難を実現するだけでなく、適用は新築・既存問わず複数の避難経路を持つ建物に使える。
今回の開発では、表示装置の設計・製作を東芝ライテックが、防災設備との連携システムの検討をホーチキが、システムの設計要件、評価、適用を竹中工務店がそれぞれ担当した。既に、竹中工務店は、2022年6月に愛知県名古屋市で竣工した「名古屋市国際展示場新第1展示館」に新たな避難口誘導灯を初適用している。
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