ツインタワーの低層階に位置する商業施設には、カフェやレストランを誘致し、建物内で入居企業の社員だけでなく、周辺住民も食事を楽しめるようにする。N棟の高層階に設ける住宅は、野村不動産が住宅事業で培った経験と優れた眺望を生かし、高品質な住まいに仕上げる。
敷地の東側には長さが200メートルの親水空間を整備し、親水空間の桟橋では、通勤やレジャーで使える船を発着させ、敷地の北側には1650平方メートルの公園を整備する。浜松町駅方面の敷地では、樹木を近くで見られるカフェとテラスを配置し、森林浴が行える環境を整える。
「野村不動産グループでは、芝浦エリアが、羽田空港や天王洲などの湾岸部と隅田川、日本橋川といった内陸部の水辺をつなぐ中継地点になると考えており、現在都内各所で行われている船着き場の開発と芝浦一丁目プロジェクトの親水空間を連携し、通勤や観光のインフラとして舟運の可能性を探る」(松尾氏)。
環境配慮に関しては、親水空間で約2000平方メートル、敷地西側で約3000平方メートル、その他のエリアで約3000平方メートル、建物の壁面で約5500平方メートル、合計で1万3500平方メートルのスペースで緑化を行う。
「当社では、入居企業の社員にリラックスしやすいツインタワーのオフィスや緑化されたエリアなどを用いた働き方“TOKYO WORKation”を提案する。TOKYO WORKationは、快適なオフィスの専有部や共用部、ホテル、商業施設、徒歩圏内にある多様なスポットから、好みにあったワークプレースを選べるワークスタイルだ」(松尾氏)。
加えて、快適な執務環境とCO2排出量の削減や大型エアフロ―ウィンドウ※1、高効率な地域冷暖房プラントの採用、コージェネレーションシステム導入による排熱の有効活用でZEB認証の「ZEB Oriented」を取得する見通しだ。なお、オフィス用途で延べ床面積が30万平方メートルを超える物件でZEB Orientedを取得する物件は今回のツインタワーが初だという。
※1 エアフロ―ウィンドウ:二重サッシの間を室内空気で換気し、断熱性を高め、熱負荷を低減するタイプのファサード。
さらに、建物内で使用する電力には、野村不動産グループが保有する物流施設の太陽光発電システムで得られた電力や他社が提供している再エネ由来の電力を活用する他、野村不動産と東京大学先端科学技術研究センターが連携し、カーボンニュートラル技術や地域気象データと先端学術による戦略的社会共創拠点「ClimCORE」のテクノロジーを実装する。
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