延べ8.6万m2のマルチテナント型物流施設が札幌市で竣工、大和ハウス工業：リテール＆ロジスティクス

大和ハウス工業は、日本貨物鉄道とともに、北海道札幌市のJR貨物「札幌貨物ターミナル駅」構内で開発を進めていたマルチテナント型物流施設「DPL札幌レールゲート」が2022年5月31日に完成した。

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　大和ハウス工業は、日本貨物鉄道とともに、北海道札幌市のJR貨物「札幌貨物ターミナル駅」構内で開発を進めていたマルチテナント型物流施設「DPL札幌レールゲート」が2022年5月31日に竣工したことを同日に発表した。

道央自動車道「大谷地インターチェンジ」から約1キロの場所に位置

　開発地は、札幌貨物ターミナル駅の構内に立地しているため、鉄道コンテナを利用することで全国各地への輸送を行え、モーダルシフトにより環境負荷の低減を図れるとともに、テナント企業のカーボンニュートラルにも貢献し、昨今の物流業界における市場環境の変化に伴った物流ニーズに応えられる。

　一方、JR「札幌駅」から10キロ圏内で、道央自動車道「大谷地インターチェンジ」から約1キロの場所に位置し、北海道全域へのアクセスが容易な他、JR千歳線「平和駅」から約2キロで、地下鉄東西線「南郷18丁目駅」から約2キロと職住近接の就労環境が整っている。

　DPL札幌レールゲートは、地上3階建てで、雪や雨など天候の影響を受けずに荷物の積み卸ろしや通行が行えるように、1〜2階に「中車路」「屋内スロープ」「屋内トラックバース」を設けた他、札幌貨物ターミナル駅」を結ぶ車両専用連絡通路を設けたため、輸送もスムーズに実施できる。

「DPL札幌レールゲート」の外観　出典：大和ハウス工業プレスリリース

　建物内には、施設全体で170台分のトラックバースを用意し、トラックの入場予約システムを利用することで、トラックバースへの接車前後の時間ロスを減らし、施設内の作業効率を高められる。

　施設内の共用スペースには、カフェテリアやコンビニエンスストアが入る場を備え、就労環境を整備しただけでなく、3階にある従業員専用のカフェテリアには、打ち合わせ用のエリアとして「12フィートコンテナ」を配置した。

左から、カフェテリア、中車路、屋内スロープ　出典：大和ハウス工業プレスリリー

　また、両社と大和物流、フレームワークス、Hacobuの5社で、日本全国の持続可能な物流網の構築を目指す「協働プロジェクト」を策定した。協働プロジェクトでは、2024年問題※1をはじめ、カーボンニュートラルやSDGsの実現、物流を取り巻く多様な課題解決に向けて、両社を含む5社のリソースやノウハウ、テクノロジーを最大限に生かした物流ソリューションを共同で企画、検討、提案を行う。

※1 2024年問題：働き方改革関連法により2024年4月1日以降「自動車運転の業務」に対し、年間の時間外労働時間の制限が施行されることにより発生する諸問題のこと。

DPL札幌レールゲートの概要

　DPL札幌レールゲートは、耐震構造のRC造（一部S造）地上3階建てで、延べ床面積は8万6276平方メートル。所在地は札幌市白石区流通センター3丁目227-172他で、敷地面積は5万348平方メートル。賃貸面積は7万3073平方メートルで、最大12テナントの入居に応じ、1区画は約5400平方メートルから入居できる。

　設計・施工は戸田建設が担当し、着工は2020年7月1日で、竣工は2022年5月31日で、入居は2022年6月1日で、総投資額は約150億円。

「DPL札幌レールゲート」の位置図　出典：大和ハウス工業プレスリリース