西松建設は、西華デジタルイメージと共同で、一般土工事などに使用される土砂の品質を対象に、現場で効率的に管理できる画像解析技術を用いた品質確認装置を開発した。今回の品質確認装置を開発したことで、盛土や埋め戻しなどに使用する土砂の品質を適切に管理し、一般土工事の品質向上につながる。同社は、既に現場で品質確認装置の実証試験を行っており、今後は各現場に応じた測定方法を確立し、装置の実用化を進めていく予定だ。
西松建設は、西華デジタルイメージと共同で、一般土工事などに使用される土砂の品質を対象に、現場で効率的に管理できる画像解析技術を用いた品質確認装置を開発したことを2022年5月12日に発表した。
盛土や埋め戻しなどに使用する土砂では、事前に物性試験を行い、施工現場で試験施工を実施することで、品質・施工方法を確認した後、施工に利用される。活用する土砂の中には、現場から発生する流用土などのように、土質が日々変化していく土砂がある。
こういった土砂は、事前試験時から、土質の変化を日常管理として適切に行うことが求められている。一方、現場における土砂品質の変化は、現場作業員の目視や含水比測定などで判断しているが、土質の変化を把握し、土工事の品質と確保を向上させていくためには、適切に管理しなければならない。
そこで、西松建設は、西華デジタルイメージとともに、現場で土砂の品質変化をチェックする盛土材料品質確認装置を開発した。盛土材料品質確認装置は、測定用カメラと土砂を撮影するための冶具、画像解析PCによる画像解析技術を活用した装置となっており、土砂の粒度試験と色彩を簡易に測れる。装置自体は、現場内の使用を想定し、持ち運べるコンパクトな装置となっている。
また、これまで粒度試験を現場で行うには、試験室を設け、試験時間も2日間以上を要するため、実施には、手間、費用、人工がかかるなどの問題が生じていたが、盛土材料品質確認装置を導入することで、粒度測定にかかる時間は数十分(1試料当たり)と時間を短縮し、1日に複数種類の土砂測定にも対応する。
さらに、粒度以外にも土砂の色彩を計測することで、粒度の近い土砂でも色彩の違いから異なる土砂として判断し、違う材料をそのまま施工することを防げる。加えて、持ち運べるため、試験室などを設けず試料採取後すぐに測れる。なお、粒度の測定方法は、2種類の手法で、75ミリ〜75マイクロメートルまでの幅広い粒径に対する測定にも応じる。
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