仮設備・施工機械の稼働状況を見える化するシステムを開発、大成建設：山岳トンネル工事

大成建設は、アクティオと共同で、トンネル坑内外に設置されたカメラや各種測定機器の計測データを基に、仮設備と施工機械の稼働状況をモニタリングするシステム「T-iMonitor Tunnel」を開発した。T-iMonitor Tunnelは、山岳トンネル工事に適用することで、各種計測データをクラウド上に自動集約し、仮設備や施工機械の稼働状況を含めたトンネル坑内外での施工状況を見える化できる。また、施工機械の故障などが発生した場合にも、その原因を迅速に特定し、作業復旧までに要する時間を短縮することで施工管理の効率化を図れる。

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　大成建設は、アクティオと共同で、トンネル坑内外に設置されたカメラや各種測定機器の計測データを基に、仮設備と施工機械の稼働状況をモニタリングするシステム「T-iMonitor Tunnel」を開発したことを2022年5月11日に発表した。

現場作業の進捗状況に応じて必要な情報を選択して画面に表示

　山岳トンネル工事では、多くの仮設備や施工機械が同時に稼働しており、施工管理者が現場に直接足を運び、各設備の稼働状況を直接目視することで、確認してきた。

　しかし、全ての稼働状況を統括して管理する方法がこれまで存在せず、施工機械の故障といったトラブルが発生した場合に、機器同士の関連性や状態などを一括して把握することが難しく、原因特定から対処までに膨大な時間を要し、施工管理の効率化が課題となっていた。

　そこで、大成建設とアクティオは、トンネル坑内外の仮設備や施工機械に設置した各種センサーから得られた情報をクラウド上に一元管理し、稼働状況を見える化するモニタリングシステムのT-iMonitor Tunnelを開発した。

「T-iMonitor Tunnel」による施工管理システムの概要図　出典：大成建設プレスリリース

　T-iMonitor Tunnelは、仮設備・施工機械の制御盤や電源といった電子機器（スイッチ・センサーなど）から出力されるアナログ情報からデジタル情報に変換されたデータを、インターネットを介してクラウド上に自動集約する。これにより、全ての仮設備と施工機械の稼働状況を可視化し、各種データを定量的に分析することが可能。さらに、データの変化を把握することで、トラブル発生の際には原因特定を迅速化し、復旧までにかかる時間を最小限にとどめられる。

　T-iMonitor Tunnelのオプションとして、トンネル計測データや切羽観察記録、掘削施工サイクルタイムといった施工管理データだけでなく、覆工コンクリートの打設状況など、現場作業の進捗状況に応じて必要な情報を選択して画面に表示させられる。

　既に、大成建設では、岩手県宮古市で施工中の「国道106号磯鶏地区道路工事」でT-iMonitor Tunnelの性能検証を行い、その有効性を確認した。今後は、山岳トンネル工事のDXにおけるデータ収集を担う技術の1つとしてT-iMonitor Tunnelを展開し、山岳トンネル工事の効率的な施工を推進していく。