長谷工コーポレーションは、独自のBIM「長谷工版BIM」と型枠工事ソフトをシームレスにデータ変換するBIMコンバーターで連携させることで、作業時間15%の削減を目指す。
長谷工コーポレーションは2022年4月25日、ティエムソフトが進める「BIMコンバーター」の開発に協力したことを公表した。BIMコンバーターは、長谷工版BIMと型枠展開図ソフトウェアをつなぐもので、型枠展開図作成に欠かせない施工図の作成が不要となるため、情報伝達やデータ入力の作業時間が従来と比べ15%削減される。
長谷工ではこれまでにも、情報の一元化や業務の見える化など、業務効率化につながる多様なアプローチでDXを推進しており、特にBIMに関しては設計図書や協力会社の型枠展開図など、サプライチェーン全体でデジタル化を推進してきました。一方、デジタル化した各データを連携する情報伝達では、施工図や型枠展開図の読み取りの間違いや入力間違いなどが削減されず、デジタル化の効果は限定的なものとなっていたという。
今回、試行を開始した生産情報伝達手法は、長谷工版BIM上に作成された設計モデルをBIMコンバーター経由で、型枠展開図作成ソフトのTenkai_Pro(型枠展開図作成ソフト)やTaiseki_Pro(型枠数量・コンクリート数量積算ソフト)へとそのままデータ変換。そのため、読み取り間違いや入力間違いなどヒューマンエラーを防ぎ、資材ロスの削減や品質向上ももたらされる。出力した型枠展開図のデータは、NCルーターなど自動加工機へ転送することで、人の手が介在しない材料加工が実現する。
また、情報を伝える媒体も、これまでの紙の施工図からデータに変わるため、施工図作成時の確認項目がBIMモデル作成時にフロントローディングされ、入力作業の削減など省力化が期待される。
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