長谷工コーポレーションは、プレキャストコンクリートで躯体を組み立てる「PCa工法」で、PCaの施工品質を検査する際に、タブレットやスマホで図面の情報を確かめられるシステムを開発した。今後は、躯体や設備、電気の工事で求められる品質検査に使えるように改良する。
長谷工コーポレーションは同社のHPで、高層マンションの建設を効率化するため、マンションの設計や施工、販売、管理でBIMモデルを活用するシステム「長谷工版BIM」を用いた「PCa施工品質検査システム」を開発したことを2020年10月16日に発表した。
高層マンションの施工では、工期短縮や品質の安定化を目的に、建物の基本となる部材を設備の整った工場で製造した後、現場へ持ち込み躯体を組み立てる「PCa工法」を採用している。
これまで、作業所員がPCaの施工品質を検査する際は、紙ベースの設計図書や施工図、製作図などを携帯していたが、持ち運びの手間があった。
解決策として、長谷工コーポレーションは、PCa施工品質検査システムを開発した。PCa施工品質検査システムは、ジョイント部分における鉄筋の主筋径や長さ、本数などの図面情報をBIMモデルから抽出し、タブレットPCやスマートフォンに3D表示することができるため、複数の図面を携帯せずに済み、検査業務の効率化を図れる。
今後、長谷工コーポレーションは、新システムの活用範囲を作業所における躯体や設備、電気の工事などでの品質検査へ拡大する。
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