第6回 ジャパンビルド−建築の先端技術展− 特集
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» 2022年05月13日 15時19分 公開

クラウド×AIで設備管理の完全自動化を目指す、アズビルが提案する未来志向のBAS第6回 ジャパンビルド−建築の先端技術展−(3/3 ページ)

[石原忍,BUILT]
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アズビルが目指す“建物管理の自動運転システム”

 別の換気制御の技術では、天井に「赤外線アレイセンサー」を設置し、赤外線検出で室内環境が変化する前に空調を制御する手法も提供している。

 赤外線アレイセンサーは、表面温度を測って室内の暑いまたは寒いゾーンを可視化するだけでなく、動く発熱体を人として検知することで、在室者の位置や人数を推定。人数に見合う外気量を演算し、人が増えれば室内温度が上昇することをあらかじめ見越して、空調を強めるなどの快適な室温を維持する。空調制御は、冷暖房用の吹き出している空気のうち、外気の割合のみを高めるので、給気の温度と風量は変化しないため、室温が変動することはなく一定の温度が保たれる。

オフィス内の在室人数を可視化する「赤外線アレイセンサー」

 一方、設備管理のスマート化では、低炭素社会と少子高齢化の波を受け、建物設備の省エネ化と設備管理者の不足を解決すべく、ビッグデータとAI、クラウドの先端技術を駆使し、アズビルの将来ビジョンとして“建物管理の自動運転システム”構築を目指している。

 社会実装までのロードマップでは、現状は人が制御メニューを選び、適切に設定するレベル1の段階にあり、次のレベル2では特定条件下での自動運転機能。レベル3からは、管理者ではなくシステムが主体となって、あらかじめ設定した目標に沿いRPAや遠隔監視でリアルタイムに自動制御する。レベル4では設備変更にも対応し、異常原因や解決策をシステム側から提案。DXの最終段階となるレベル5では、災害発生時にも、自動運転を継続させるBCP対策のオートメーションも見据えている。

アズビルが掲げる完全自動化までのロードマップ

 建物管理の自動化でコア技術となるのがクラウドで、空調機器を一元制御するアズビルのBASは、国内で既に1万システムが稼働しており、これからのDX時代へ対応するため、新たに「ビル向けクラウドサービス」の提供を開始。アズビルには、管理者の代行でビルの総合管理を行う既存サービス「BOSS-24」もあるが、ビル向けクラウドサービスは、複数ビルのBASに集約されるエネルギー、室内環境、設備運転状況などのデータを一元的にアズビルクラウドセンターに蓄積。ビルオーナー、ビル管理者、建物居住者、CSR担当者など、さまざまなステークホルダーがクラウドを介して、稼働状況をリアルタイムに把握できるフルオープンの環境となっている。

 具体的にクラウドには、エネルギー使用状態や予測値が分かるEM(エネルギー管理)、設備保全業務を管理するBM(設備保全管理)、空調や照明を操作するTS(テナントサービス)、建物運用や設備特性を考慮した電力抑制でネガワットを創出するDR(ディマンドリスポンス)、気象情報を含むビッグデータで最適な運用情報を表示するOP(最適運用)の機能を搭載。

 各機能により、管理コストの抑制、エネルギー消費の見える化による省エネ啓発、運用改善の提案、これまでは紙ベースだったフィールド作業の記録、関係者間の情報共有といった省エネと省人化につながる。また、クラウド化は、これまでアズビルの主な対象だった大規模ビルだけでなく、中小ビルにもイニシャルコストを抑えて導入されやすい利点も期待されている。

ビル向けクラウドサービス「EM(エネルギー管理)」機能のデジタルダッシュボード

 クラウド機能のうち、OP(最適運用)では、気象情報と過去の需要や外気情報をクラウド上のAIで解析し、30分周期で冷温水、電力などの重要を予測。予測値を満たしつつ、コストやCO2が最小でCOP(Coefficient of Performance:エネルギー消費効率)が一定以上となる熱電源計画を算出して、Webサービスでオペレーターに提示する。

 また、ビッグデータ活用では、当初は工場向けだったオンライン異常予兆検知システム「BiG EYE」を建築設備にも適用。データを機械学習することで、換気フィルターの目詰まりなどで生じる通常とは異なる動きを検知して、警告を発する仕組みづくりにも現在着手している。

オンライン異常予兆検知システム「BiG EYE」を用いたフロー

 今後、クラウドサービスでは、顔認証の入退場で採用している日本コンピュータビジョン(JCV)など他社製カメラとも連携させ、取得したビッグデータをAI分析して設備の予防保全など、クラウドサービスのさらなる拡充やデータ活用の相談も行っていく。

 現状は、今回のブースで出品したクラウド、コントローラー、監視ソフトなどの各ソリューションは単体での提供にとどまっている。しかし、これからは完全自動化に向け、製品間の連携をはじめ、クラウドへの業務集約、定型業務のRPA化、または非定型業務のAI化を進め、設備業務の効率化と省人化を実現させていく構想を描いている。

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