ジョンソンコントロールズは、BASのプラットフォームと位置付ける「OpenBlue」サービスに、社内外からのアクセスに関わらずVPNより安全にビルシステムにリモートアクセスできるネットワーク環境の「Tempered Airwall」を選定した。今回のパートナーシップにより、AIを活用した遠隔診断をはじめ、予知保全、コンプライアンスモニタリング、高度なリスク評価など、建物に関する各種サービスに対するサイバー攻撃から強固に守れるようになる。
ジョンソンコントロールズは、ビルシステムのプラットフォームと位置付ける「OpenBlue」サービスに、トップクラスの安全な通信とネットワーク管理を適用するため、スマートビルの自動化や制御のプラットフォームとしてTempered Networksが提供する「Tempered Airwall」を選定したと2021年9月30日に発表した。
両者のパートナーシップにより、多彩な企業との連携を通じて取り組んでいる建物を対象とするAIを活用した遠隔診断、予知保全、コンプライアンスモニタリング、高度なリスク評価などのサービスソリューションに対し、サイバーセキュリティを強化させることが可能になる。
ジョンソンコントロールズは、ビルオートメーションシステム(BAS)のプラットフォーム「OpenBlue」サービスの中核に、Tempered Networksが提供するゼロトラスト・プラットフォームであるTempered Airwallを導入することに決めた。これいにより、世界中で同社のBASを導入している商業施設や民間企業のオフィスビル、病院、学校、キャンパス、スタジアムなどの建物をサイバー攻撃の脅威から守ることが可能になる。
ゼロトラストとはあらゆるトラフィックは信用できないという考えに基づき、社内外からのアクセスに関わらず、全てのトラフィックを対象とするセキュリティモデル。クラウド化やテレワークが進んだことで、従来の境界型セキュリティモデルに変わる新たなセキュリティアプローチとして注目されている。
ジョンソンコントロールズ バイスプレジデント兼最高技術責任者(CTO) ビジェイ・サンカラン氏は、「DXの加速は、当社のユーザーがデータ活用の進むスマートビルを運用するメリットを実感し始めたことの証であるとともに、最高レベルのサイバーセキュリティを必要としていることを意味する。Tempered Networks のセキュリティ技術を活用することで、業界をリードするセキュアなリモートアクセス技術とAIを活用したセキュリティインサイトでスマートビルを実現し、OpenBlueソリューションを利用いただいている顧客のリスク管理とネットワーク管理の簡素化を支援する」とコメント。
Tempered Networks CEO キース・ビーマン氏は、「DXが進むことでセキュリティが脆弱になり、重要なインフラ施設は日々ハッキングの脅威にさらされている。昔のネットワークソリューションのように、新たなファイアウォールを追加するだけでは脅威を防ぐことはできない。しかし、Airwallのネイティブなゼロトラスト・プラットフォームで、BASはどこからでも安全かつ最適に管理できるようになった」と話す。
今後、ジョンソンコントロールズは、Tempered Airwallプラットフォームを活用した新しいOpenBlueサービスを全世界で提供し、高まるビルシステムのサイバーセキュリティと管理需要に応えていくとしている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.