ゾーン個別ではなく、オフィスワーカー自身が空調設定を変えたいニーズに対しては、専用のスマホアプリが用意されている。アプリ上では、最寄りの吹出口ダンパとBluetoothで接続し、執務者が自席にいながら、空調のON/OFFや温度設定が行える。温度設定は、数値ではなく、「暑い」「寒い」などの感覚で申請する(温冷感申告型空調)。温冷感をもとに自動でコントロールすることにより、外出から戻ってきた人と在室者の感覚に差があっても、急激に温度変化をせずに、緩やかに適正な温度へと調整する。
ネクスフォートDDにより、各吹き出し口で、誰もいないエリアの空調停止や設定温度の緩和、熱負荷に応じた適正な風量が可能になることで、空調設備の省エネに貢献。オフィスのレイアウト変更の際には、通常であれば空調工事も発生していたが、個別制御が可能になることで、工事自体が必要無く、機器の作るまたは廃棄するコストが減って、その結果、温室効果ガス排出量の削減がもたらされる。
スマホアプリについては、換気制御に加えて、ビーコンとスマホの位置検出を応用して、建物内のエリアごとに混雑状況や時間帯での利用傾向もアプリ上で見える化。仮にフリーアドレスでも、探している社員の所在が分かり、空いているスペースはどこなのかも把握できる。位置情報と空調制御が連携することで、平面図から設定を変えたい空調を探す手間が省け、感染症対策で他人が触った操作パネルに触れなくても済む。
アプリは、アズビルのクラウドサービスとも連携しており、照明の制御、エレベーターの呼び出し、RF変換デバイス「Airfob Patch」にスマホをかざしてキー代わりにした入退室管理といった利用も想定される。Airfob Patchは、スマホから送信するBluetooth Low EnergyをRFカードで読み取るRF信号に変換する。RFカードが使用されている箇所に、配線作業無しで装着することで、RFカードを持っていなくてもスマホで認証できるようになる。
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