工期を短縮する静的破砕による杭頭処理工法の外販を開始、戸田建設ら製品動向

戸田建設は、これまで同社の施工案件に使用を制限していた杭頭処理工法「しずかちゃん」を外販する体制を精研とともに整備した。さらに、両社は、今回の工法を「水の凍結膨張圧による凍結杭頭処理工法“しずかちゃん”」の技術名称で、国土交通省が運用している「新技術情報提供システムNETIS(NETIS)」へ登録し、これを機に土木・建築分野を問わず建設工事へ広く展開していく見込みだ。

» 2022年03月01日 07時00分 公開
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 戸田建設は、これまで同社の施工案件に使用を制限していた杭頭処理工法「しずかちゃん」を外販する体制を精研とともに整えたことを2022年2月15日に発表した。

納期は2カ月程度

 しずかちゃんは、水の凍結膨張圧を利用して、杭頭部に水平方向に制御されたひび割れを発生させ、余盛りコンクリートをはつることなく撤去可能な工法で、従来工法と比べてはつり作業を低減し、騒音と振動が小さく、粉じんの量を減らせ、工期短縮も実現する。

杭頭処理工法「しずかちゃん」の施工状況 出典:戸田建設プレスリリース

 具体的には、凍結破砕作業は液体窒素を使用し、水の凍結膨張(膨張率約9%)を利用してコンクリートにひび割れを発生し、扁平形状に加工した凍結管により、ひび割れを水平方向に制御する。仕上げは、手はつりと同様の破砕面となり、全ての場所打ち杭工法に対応している。液体窒素注入から10分程度でコンクリートを破砕するため工期を短縮する。

「しずかちゃん」の施工の流れ(左)と凍結膨張圧による水平ひび割れ発生の仕組み(右) 出典:戸田建設プレスリリース

 加えて、建設騒音対策がとくに求められる工事と杭頭処理の工期短縮が必要な工事での活用を推奨している。しずかちゃんの採用手順は、まず精研へ問合せた後、精研から見積の提案、見積書にて成約。続いて、工事へ適用(工事指導、打ち合せ、資機材の送付、納期は2カ月程度)となる。

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