戸田建設が開発した独自の免震工法「戸田式杭頭免震工法」が、構造性能評価を取得した。これにより、従来よりも審査工程が簡略化される一般確認ルートが可能となり、設計工程のスピード化が図れるようになった。
戸田建設は2019年7月10日、免震工法を短期間で設計できる「戸田式杭頭免震工法設計指針」の構造性能評価を、日本ERIから取得したことを明らかにした。一般確認ルートでの審査が可能になり、これまで煩雑だった大臣認定ルートに比べ、4カ月の設計工程の短縮が実現する。
杭頭免震工法は、一般的に採用される基礎免震工法と同等の免震効果を持ちながら、基礎梁(はり)のボリュームなどを大幅に削減でき、施工期間も短くて済むメリットがある。
しかし通常は、地震による杭の回転などに伴う免震装置への影響について、大臣認定ルートでの特別な技術審査が求められる。そのため、確認申請のみの一般確認ルートで設計が容易な基礎免震工法と比較すると、設計期間が長期化してしまうことが課題だった。
今回の設計指針では、免震材料の傾斜載荷試験により、地震の際に免震装置が傾斜した場合の摩擦係数の変化など、既存の免震材料に対する各種性能を把握し、免震装置の許容傾斜角を明確にした。指針を活用した基礎梁や杭体の合理化が図れるようになり、建設コストを抑えられる。
また、建物に生じる地震力に加え、地盤の揺れで生じる杭の応力を考慮すべき場合でも、特別な技術審査が不要となり、確認申請のみで設計することが可能となった。今まで手間がかかっていた性能評価用の資料作成や大臣認定の期間などが無くなるため、4カ月の設計工程の短縮がもたらされるという。
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