前年から続く、新型コロナウイルス感染症のまん延防止措置に伴う、労働環境の変革を促す流れが継続し、現場でも遠隔での業務をはじめ、Web会議や現場管理アプリに代表される各種ITツールの導入、ワークプレースの多様化など、withコロナに即した働き方が業界内の裾野まで浸透し、日常に定着したともいえる1年でした。また、一時は開催も危ぶまれた東京オリンピック・パラリンピックも無事に開かれ、五輪特需に沸いた建設需要も一段落。大都市圏での新築マンションや大規模再開発はまだ残存するものの、今後は国が掲げる国土強靭化計画に基づく、“防災・減災”や“インフラ老朽化対策”が需給のメインとなっていくのではないでしょうか。2021年にBUILTで公開されたランキングTop10の記事を紹介しながら、関連する年間トレンドも振り返ります。
BUILT編集部では、入職者の減少や技術者/技能者の高齢化などで、生産性向上が急務となっている建設業に対し、業務効率化に役立つICTやロボット、工法、建材、アプリケーションなどの多種多様な新テクノロジーの情報を2021年も発信してきました。
2021年に掲載した記事のなかでも、コロナ禍での建設/不動産の市場動向や働き方改革を独自に分析した連載を筆頭に、新たな施工技術、再開発などの記事は、年間を通して閲覧されました。
また、建設分野のドローンが集結する国際展「Japan Drone2021|第6回−Expo for Commercial UAS Market −」(会期:2021年6月14〜16日、幕張メッセ)や建設総合展「メンテナンス・レジリエンスOSAKA 2021」(会期:2021年7月14〜16日、インテックス大阪)の特集レポートも、リアル展示会の開催が難しいことや不要不急の移動自粛が求められたことなどを理由に、会期終了後にも数多くクリック。
さて、次からは2021年にBUILTで公開した全記事を対象にした累計PV数のランキングトップ10(集計期間:2021年1月1日〜12月24日)をご紹介します。
第1位となったのは、「つくば市で総延べ10万m2超えのショッピングセンターが誕生、日本エスコン」でした。1位の記事や9位の「愛知県一宮市で延べ1.7万m2の物流施設が着工、大和物流」などもそうですが、2020年には現場の一時中断や延期などがみられましたが、2021年はコロナ禍にあっても、マンション、オフィスビル、商業施設、物流施設、複合施設といったさまざまなプロジェクトが着工または竣工しました。
また、オフィスビルをはじめ、物流施設やマンションなどでも、非接触で操作可能なエレベーターや顔認証に対応したセキュリティゲート、温度測定機能付き顔認証端末、宅配ボックスの設置といった新型コロナウイルス感染症対策として生まれた各種ソリューションンの導入が進みました。
温度測定機能付き顔認証端末に関しては、日本コンピュータビジョン、ダイワ通信、アイリスオーヤマの3社が「サーモカメラコンソーシアム」を2021年4月23日に設立しました。サーモカメラコンソーシアムは、温度測定機能付き顔認証端末を含むサーモカメラの認定評価基準(機能・性能)を策定。機能や性能が不十分なサーモカメラの市場流通を未然に防ぎ、業界のイメージ向上につなげることを目標としています。
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