三井住友建設は集合住宅で「ZEH-M Oriented」を合理的に認証取得するためのツール「SMC ZEH-Mパッケージ」を開発した。今後は、首都圏をはじめ全国の板状型やタワー型など、多様なタイプのマンションにSMC ZEH-Mパッケージを展開していく見込みだ。
三井住友建設は、集合住宅における「ZEH-M(ゼッチマンション)認証」取得ニーズの高まりを受け、合理的に断熱・設備仕様の選定とコスト算出を行い、スピーディーにZEH-M認証を得られるツール「SMC ZEH-Mパッケージ」を開発したことを2021年10月29日に発表した。
ZEH-Mの認証取得作業では、物件ごとに異なる地域区分や建物形状、規模と面積に対応しなければならない他、事業主の要望に応じて断熱・設備仕様のパターンをカスタマイズするため、計画の初期段階で多くの時間を要していた。
解決策として、三井住友建設はSMC ZEH-Mパッケージを開発した。SMC ZEH-Mパッケージは、需要が多い「板状外廊下型(14階建て)」「タワー外廊下型(30階建て)」「タワー内廊下型(30階建て)」といった3タイプの集合住宅で「ZEH-M Oriented※1」を合理的に認証取得するためのツール。今回のツールは、最適な断熱・設備のベース仕様を設け、計画初期段階でさまざま要望に対応するのに役立つ。
※1 ZEH-M Oriented:断熱性能などを向上させるとともに、高効率な設備システムの導入によって室内環境の質を維持しつつ省エネルギーを実現させ、かつ、共用部を含むマンション全体での一次エネルギー消費量を20%以上削減することを目指したマンション
同社が設計施工中のZEH-M認証取得物件でSMC ZEH-Mパッケージの性能を検証した結果、SMC ZEH-Mパッケージを利用することで、これまでの計画作業と比べて断熱・設備仕様の選定とコスト算出に要する作業時間を半減することが判明した。
今後は、幅広いニーズに応えるため、「ZEH-M Ready※2」認証の取得パターンを作成し、独自技術を生かし住空間の質を高めるパターンを追加していく。
※2 ZEH-M Ready:断熱性能などを向上させるとともに、高効率な設備システムの導入によって室内環境の質を維持しつつ省エネルギーを実現させ、かつ、共用部を含むマンション全体での一次エネルギー消費量を50%以上削減することを目指したマンション
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