災害時に病院の機能継続をサポートするシステムの開発に着手、戸田建設ら産業動向

戸田建設は、バニーホップとともに、病院の機能継続サポートシステム「ききみエール」の開発に着手した。ききみエールは、地震などの自然災害で、病院が事業を継続することが難しい際に、インフラや施設への被害状況、エレベーターの運行制限といった情報を院内スタッフが保有するスマートフォンに共有するもの。今回のシステムは2021年度中の開発完了を目指している。完成後は、新築病院での導入を行い、病院に限らず、BCP対応が重要な教育施設や事務所ビルなど他用途の建物に対しても導入を進めていく予定だ。

» 2021年12月20日 09時00分 公開
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 戸田建設は、バニーホップとともに、病院の機能継続サポートシステム「ききみエール」の共同開発に着手したことを2021年11月4日に発表した。

発熱者の監視情報を提供でき、新型コロナウイルス感染症の拡大防止にも貢献

 国内では、多発する地震や集中豪雨といった自然災害の発生時に、病院では、電力や水道、ガスといったインフラが途絶した場合でも、限られた燃料や資源で機能を継続し人命を保護し救助する必要がある。

 こういったニーズを踏まえて、戸田建設は、バニーホップとともに、ききみエールを開発した。ききみエールは、緊急時にインフラの状況を見える化し、病院機能の継続を支援するシステム。

「ききみエール」のイメージ図 出典:戸田建設プレスリリース

 さらに、中央監視設備などからの情報をクラウドデータベースに収集し、地震などの自然災害によるインフラや施設への被害状況、エレベーター運行状況を迅速に院内スタッフが所有するスマートフォンに共有。加えて、スタッフや来院者に必要な情報を発信するため、無用な混乱を防げ、緊急時にインフラの状態が一目で分かる。

ききみエールによるスタッフ用スマートフォンの表示画面イメージ図 出典:戸田建設プレスリリース

 また、電力や水道、ガスといったインフラへの被害状況の早期把握や燃料と資源残量を基にした機能の継続時間、制限などをスマートフォンでリアルタイムに確かめられる。患者や来院者に対しても待合呼出モニターなどを利用して、使えるトイレのデータや各種災害状況(公共交通機関運行情報など)を提供する。

 一方、平常時には、スタッフに対し、エネルギー使用状況を表示して、省エネ活動の啓蒙を図れる他、発熱者の監視情報を提供でき、新型コロナウイルス感染症の拡大防止にも役立つ。

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