第6回 ジャパンビルド−建築の先端技術展− 特集

抗ウイルス・抗菌グレードのパーテーション、消毒剤による拭き掃除でも外観に変化無し第6回 ジャパンビルド−建築の先端技術展−

三菱ケミカルインフラテックは、受付や対面業務で飛沫防止に用いられているパーテーションパネルに採用されているアクリル樹脂板「アクリライト」の抗ウイルス・抗菌グレードとして「アクリライトBX」を開発した。

» 2021年12月16日 07時00分 公開
[遠藤和宏BUILT]

 国内では、ウイルスと菌の飛沫感染を防止する目的で、受付の机や飲食店のテーブル、オフィスのデスクにアクリル製のパーテーションパネルが設置されている。こういったパーテーションパネルは、頻繁に清掃と除菌を行わなければならず、スタッフの負担になっている。

 解決策として、三菱ケミカルインフラテックは、展開しているアクリル樹脂板「アクリライト※1」の抗ウイルス・抗菌グレードとして「アクリライトBX」を開発し、2021年11月に発売した。同社は、住宅、ビル、公共施設、商業施設など、あらゆる建築物を対象とした建築総合展「第6回 ジャパンビルド−建築の先端技術展−」(会期:2021年12月6〜8日、東京ビッグサイト)内の「第4回 施設リノベーション EXPO」に出展し、アクリライトBXをPRした。

※1 アクリライト:全光線透過率が93%のアクリルを用いたパネルで、傷が付きにくい「ハードコートグレード」やすりガラス調で表面の光沢に優れる「フロスティ」など多彩なタイプをラインアップしている。

全光線透過率は89%

 アクリライトBXは、全光線透過率が89%と透明性が高く、表面に抗ウイルスと抗菌の加工を施したアクリライト樹脂板。耐薬品性にも優れており、通常のエタノールや次亜塩素酸ナトリウムなどの消毒剤を使用して拭き掃除を行っても、外観を維持できる。

商談席のパーテーションパネルとして設置した「アクリライトBX」
テーブルの天板として搭載した「アクリライトBX」

 三菱ケミカルインフラテックは、4分の1の楕円法による応力下でのクレーズ発生状況で、エタノール、塩化ベンザルコニウム0.05%溶液、次亜塩素酸ナトリウム0.05%水溶液を使いアクリライトBXの耐薬品試験を行った。その結果、いずれの薬品でも、アクリライトBXの外観に変化は生じなかった。

 三菱ケミカルインフラテックの担当者は、「当社は、三菱ケミカルや三菱ケミカルメタクリレーツとともに、日本繊維製品品質技術センターで、ISO21702に基づく試験を行った。その結果、新型コロナウイルス感染症に対するアクリライトBXの抗ウイルス効果を確認した。具体的には、アクリライトBXに接触したウイルスの低減率は99.9%以上だった」と述べた。

 また、ISO21702とISO22196に基づく試験方法により評価された結果で、抗菌製品技術協議会のガイドラインでSIAAマークとSIAA認証を取得した。

ISO21702に基づく試験方法により判明した「アクリライトBX」の抗ウイルス性能

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