アイディールブレーンは、薄く軽量で運びやすく、複数回の地震に耐えられる制振ダンパー「ディーエスダンパー」を開発した。
国内で販売されている制振ダンパーは、重さが数十キロのものが多く、運搬や住宅への取り付けに複数の作業員が求められる。しかし、制振ダンパーの設置は、1人の作業員で行われるケースもあり、軽く使い勝手に優れた制振ダンパーの需要が高まっている。
上記のニーズに応える製品として、アイディールブレーンは、薄く軽量で運びやすい制振ダンパー「ディーエスダンパー」を住宅向けに開発し、2021年4月23日に発売した。同社は、住宅に関する部材、設備、サービスが一堂に会する専門展示会「Japan Home & Building Show 2021」(会期:2021年11月17〜19日、東京ビッグサイト)内の「第43回 ジャパンホームショー」でディーエスダンパーを披露した。
ディーエスダンパーは、2本の「強靭鋼棒」や2本の鋼管、33本のビス、4本のボルト、曲面サポート材で構成される。重さは約10キロで、厚さは30ミリと薄いため、断熱材の設置空間を十分に確保でき、住宅の断熱性能を損なうことなく、取り付けられる。
種類は横架材間内法247.5〜269.9センチの「FRM-0688」と横架材間内法225〜247.4センチの「FRM-0689」をラインアップしており、FRM-0688では壁倍率3倍の、FRM-0689では壁倍率3.4倍の国土交通大臣認定を取得している。さらに、筋交い※1や耐力面材との併用に対応している他、1つの壁に2基のディーエスダンパーを搭載することで、壁倍率を2倍にすることも可能。
※1 筋交い:柱と柱の間に斜めに入れて建築物や足場の構造を補強する部材
アイディールブレーンの担当者は、「ディーエスダンパーは、搭載された強靭鋼棒が金属の組成変形により、地震の揺れを吸収し建物のゆがみを抑える。こういった金属の組成変形を利用した通常のダンパーは地震の力で折れるが、ディーエスダンパーは強靭鋼棒にかかる地震の力を曲面サポート材が受けて分散する。そのため、繰り返しの地震に対して効果を発揮し、複数回の地震に耐えられる」と利点を説明した。
続けて、「また、1つの壁に対して2基のディーエスダンパーを取り付けられるため、都内で散見する3階建て狭小住宅で、1つの壁に構造計算上で必要な耐力を付加する場合にも役立つ」と語った。
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