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» 2021年12月07日 07時00分 公開

大林組らがスマートシティーでの実装を目指し、EVの走行中給電システム開発に着手スマートシティー

関西電力、ダイヘン、大林組は、非接触で給電可能な電気自動車の走行中給電システムを用いた「都市全体を対象としたエネルギーマネジメントシステム」の技術開発を進めている。今後は、両システムの技術開発を推進し、ダイヘンが大分県で保有する試験場で、エネルギーマネジメントシステムからの給電制御試験や電磁波などの安全性、給電システムの道路埋設に関する課題抽出を行う。そして、開発の成果を大阪府で開催される「関西万博」で実装するこを目指す。

[BUILT]

 関西電力、ダイヘン、大林組は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が行う助成事業「脱炭素社会実現に向けた省エネルギー技術の研究開発・社会実装促進プログラム」で、電気自動車(EV)の走行中給電システムに関する技術開発を提案し、このたび、助成事業に採択されたことを2021年11月19日に発表した。

EVの車両位置情報とバッテリー状態を管理する機能を開発も目指す

 今回のプロジェクトでは、非接触で給電可能なEVの走行中給電システム※1を用いた「都市全体を対象としたエネルギーマネジメントシステム※2(EMS)」の技術開発に取り組む。そして、走行しながらの給電を可能とすることで、走行距離の延長や充電の利便性を向上する他、常にEVと電力系統を接続し、昼間に余剰となる再生可能エネルギーによる電気の有効活用を目指す。

※1 EVの走行中給電システム:道路に埋め込んだコイルからEVに設置したコイルの間で、電磁誘導の原理で電気を送るもの

※2 都市全体を対象としたエネルギーマネジメントシステム:EVの車両位置情報や再生可能エネルギーの発電量などの電力需給情報を取得し、走行中給電システムからEV車両への給電制御を行うもの

 具体的には、EV走行中充電システムの開発では、コイル方式の技術開発を行い、コイルから発生する電磁界の周辺への影響評価を確かめ、システムの安全性を確立する。加えて道路埋設課題を抽出し、適切な埋設位置の検討や道路の耐久性を評す。

走行中充電システムの方式例 出典:大林組プレスリリース

 一方、都市全体を対象としたEMSの開発では、EVの車両位置情報とバッテリー状態を管理する機能を開発する。さらに、EV車両の動態情報と再生可能エネルギー発電量の電力需給情報を基に、給電制御機能の開発を行う。

都市全体を対象としたEMSのイメージ 出典:大林組プレスリリース

 両システムの開発にあたっては、関西電力、ダイヘン、大林組だけでなく、当該分野で最先端の研究を行っている東京大学、東京理科大学、大阪大学大学院工学研究科と連携。そして、開発成果の普及を促す取り組みを主導する組織として、日本自動車工業会も参画する。

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