実質再生可能エネルギーを100%利用する延べ1.6万m2の分譲マンションを開発、東急らプロジェクト

東急と伊藤忠都市開発は、神奈川県川崎市で計画を進める分譲タワーマンション「ドレッセタワー武蔵小杉」のモデルルームを2022年1月にオープンし、同年2月に専有部の販売を開始する予定だ。

» 2021年11月30日 07時00分 公開
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 東急と伊藤忠都市開発は、神奈川県川崎市で開発を進める分譲タワーマンション「ドレッセタワー武蔵小杉」の概要を2021年9月27日に発表した。

屋上テラスにはBlu-ray Discの再生が可能な100インチの大型LEDモニターを設置

 ドレッセタワー武蔵小杉は、地上23階建てで、再生可能エネルギー由来の電力小売会社であるネクストパワーから全住戸と共用部の電力を調達し、高圧一括受電方式で入居者に提供する。さらに、使用電力は、非化石証書※1を利用した実質再生可能エネルギー100%※2のものとする他、共用部の一部電力には太陽光発電による電力を用いる。

※1 非化石証書:、非化石エネルギー源に由来する電気の環境価値を有し、小売電気事業者が調達して、顧客に提供することでCO2排出量の削減が認められるもの

※2 実質再生可能エネルギー100%:非化石証書が付与される環境価値を備え、CO2排出係数を1キロワットアワー当たり0.000キロ-CO2に調整した電力を供給することを指す

「ドレッセタワー武蔵小杉」の外観イメージ(左)と位置図(右) 出典:伊藤忠都市開発プレスリリース
実質再生可能エネルギー電力の供給イメージ 出典:伊藤忠都市開発プレスリリース

 加えて、共用部には非常時に使用可能な蓄電池設備を採用し、電気自動車(EVカー)を充電できる環境も構築して、EVカー対応の機械式駐車パレットも複数台導入する。

 3階の共用施設「ENGAWAラウンジ」は、読書などに適した「和」をコンセプトとする静かな空間で、テレワークが可能な複数の個室ブースを設ける。ENGAWAラウンジでは、感染症対策として、エネフォレスト製紫外線照射装置「エアロシールド」を取り付ける。エアロシールドは、特殊な仕切り板を用いた構造で、紫外線の水平照射を実現し、天井付近に紫外線ゾーンを形成して、自然対流によりウイルスが天井に運ばれ紫外線で殺菌する。

「エアロシールド」の概念図 出典:伊藤忠都市開発プレスリリース

 共用部の屋上テラス「ルーフトップラウンジ」には、「空の仕事場」をテーマにしたWi-Fi完備のワークスペースを配置するとともに、人工芝を敷設したキッズスペースと100インチの大型LEDモニターを搭載したシネマラウンジを併設し、多様な生活シーンで使える空間に仕上げる。100インチの大型LEDモニターでは、Blu-ray DiscとDVDの再生やテレビ放送の視聴に応じる。

 建物のエントランスとエレベーターでは、オートロックや入居する階へのアクセス制限を非接触で解錠する「顔認証システム」を導入する。専有部では、外出先でスマートフォンから室内の家電を操作できるスマートホームサービス「イッツコムホーム」を実装し、併せてテレワーク環境の整備やリフレッシュ空間の創出なども行う。イッツコムホームは、使用するに当たり初期設定が必要で、コントロールする家電とデバイスは入居者が自身で用意する。

顔認証システムの概念図 出典:伊藤忠都市開発プレスリリース

 防災対策に関して、敷地内に「縁側」をモチーフに配置した公開空地「コミュニティースクエア」に、災害による断水・停電時に活用する「マンホールトイレ」と「かまどベンチ」を備える。コミュニティースクエアは通常時、多彩な緑で彩られたオープンスペースとし、地域コミュニティーの活性化につなげる。セキュリティについては、有人および監視カメラによる警備で24時間体制の管理を行う。

 また、入居見込みの世帯数に対する宅配ロッカーの設置率を110%以上とし、運送業者の再配達防止を実現して、荷物の受取り時やごみ捨て時のエレベーター利用頻度を抑え、消費電力を減らす。

左から、「ドレッセタワー武蔵小杉」の外観、公開空地、ENGAWAラウンジのイメージ 出典:伊藤忠都市開発プレスリリース

ドレッセタワー武蔵小杉の概要

 ドレッセタワー武蔵小杉は、地上23階建てで、延べ床面積は1万6142.85平方メートル。所在地は神奈川県川崎市中原区小杉町3丁目1-9で、敷地面積は2002.73平方メートル。総戸数は160戸(非分譲住戸4戸含む)で、間取りは1LDK〜3LDK、専有面積は42.09〜84.49平方メートル。用途は住居、店舗など。工期は2021年6月〜2024年5月を予定している。

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