住友不動産販売は、全国6000社以上の登録宅建業者が一斉に参加する不動産仲介のオークションサービスを開始した。不動産の売却で、これまで煩雑だった複数宅建業者との条件交渉が専用システムにより、入札方式で一元化されるため、ワンストップでの売買契約が行えるようになる。
住友不動産販売は、顧客ファーストを掲げて売主に対して、公正でベストな提案をスピーディーに行うため、DXを活用した入札方式で業者買い取り金額の最高値を提示するサービス「ステップオークション」を2021年9月2日に本格導入した。
従来の業者買い取り仲介では、店舗ごとに地元業者を中心とした数十社程度に、電話やFAXで物件を案内するため、時間がかかり、紹介先も社数が限られてしまうがあった。住友不動産販売は今般、これを見直し、取引先の宅建業者(6000社超)を対象に、本社が同時で一括して物件情報を発信し、宅建業者からの購入申込みを本社で一元的に受け取り、その都度売主に連絡する仕組みを作った。
ステップオークションでは、従来よりも圧倒的多数の取引先宅建業者に同時に一括で情報提供し、顧客にとってよりスピーディーかつ条件の良い購入希望者をマッチングさせることができる。サービスと並行して、一般の個人向けの売却活動も継続するため、売主は入札期間終了後にステップオークションの入札結果と個人購入の申込みの双方から、最も希望に沿ったものが選択できる。
サービス導入のスケージュールは、2021年7月の首都圏での土地と非居住戸建て(空き地・空き家)を皮切りに、関西や地方でも居住物件も対象として順次展開し、同年10月1日には収益/事業物件も含む全物件に適用する。
不動産仲介取引では、書面や対面での営業活動や契約行為などに加えて、電話やFAXの業務などDXの余地は多く残されている。住友不動産販売では、今回のステップオークション導入を機に、不動産仲介取引のDXを推し進めていくとしている。
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