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» 2021年10月26日 13時00分 公開

清水建設が振動を感じさせない基礎躯体解体工法を開発、騒音は交通騒音と同等に抑制新工法

清水建設は、押し切り・引き切りの双方に応じられるワイヤソー切断装置「基礎躯体クールカット」を用いて解体部材をブロック状に切り出し、クレーンで揚重・搬出するブロック切断解体工法「シミズ・基礎躯体クールカット工法」を開発した。新工法では部材を破砕しないため、粉じん、騒音、振動の発生を最小限に抑制する。また、清水建設は、アタッチメント式のワイヤソー切断装置「クールカット」を用いて、地上躯体向けのブロック切断解体工法「シミズ・クールカット工法」も開発・実用化しており、今後は、基礎躯体・地上躯体の解体工事に環境負荷の少ないクールカット工法を適用し、周辺環境に与える影響を抑えた解体施工を進めていく。

[BUILT]

 清水建設は、近隣への環境負荷を最小限に抑えつつ、マットスラブや地中梁(はり)などのコンクリート基礎躯体を解体できる「シミズ・基礎躯体クールカット工法」を開発し、実用化したことを2021年9月14日に発表した。

粉じんの発生量はジャイアントブレーカーによる破砕解体と比べて90%減少

 建築物の解体工事では、作業中に発生する振動や粉じん、騒音が周辺に与える影響を最小限に抑えるための対策が求められている。とくに、マットスラブや大型基礎梁(はり)など、圧砕するのが難しい基礎躯体の解体作業では、大きな騒音や振動を伴うジャイアントブレーカーを使って部材を破砕するケースが多く、環境負荷の低減が喫緊の課題となっている。

 解決策となる環境配慮型の解体工法として、ワイヤソーによる切断解体が適用されることもあるが、通常の引き切り型ワイヤソー機材は垂直方向の部材切断に対応できず、連続コア削孔を併用する必要があるため、作業の手間が多くなるという問題があった。そこで、清水建設は、環境性能と施工性を兼ね備えた基礎躯体切断解体工法としてシミズ・基礎躯体クールカット工法を開発した。

切断装置「基礎躯体クールカット」 出典:清水建設プレスリリース

 新工法の核となる「基礎躯体クールカット」は、部材を縦方向に切断する押し切り機能と部材下面を水平切断する引き切り機能を自在に切り替えられるワイヤソー切断機構や駆動・制御ユニットを一体化した総重量1.6トンの切断装置。装置のワイヤソー切断機構には、垂直方向に伸縮するガイドフレームを装備しており、このフレームを上下に移動させることで、ワイヤソーの作動位置を調整する。

シミズ・基礎躯体クールカット工法の施工イメージ 出典:清水建設プレスリリース

 シミズ・基礎躯体クールカット工法を用いて、マットスラブを床面からブロック状に切り出す手順は、まずブロック外周線の3辺を基礎躯体クールカットで垂直切断を行う。各辺の垂直切断は4センチ程度の間隔をあけて2度実施し、続けて底面を水平方向に引き切りし、板状に切り出されたコンクリートを吊(つ)り出すことで溝状の空間を設ける。

 次に、残る1辺の外側に基礎躯体クールカットを配置し、3辺の溝の中にワイヤソーを落とし込む。そして、ワイヤソーを装置側に引き寄せつつ、ブロック底面を水平切断した後、底面からワイヤソーを引き上げつつ残る1辺を垂直切断することで、部材の切り出しが完了する。なお、新工法で一度に切り出せるブロックの最大寸法は、縦が4メートル、横は2.4メートル、高さは1メートル。

 シミズ・基礎躯体クールカット工法の環境性能に関して、清水建設は、既存建物の解体工事におけるマットスラブ解体作業を対象とした実施工により調べた。具体的には、粉じんの発生量はジャイアントブレーカーによる破砕解体と比べて90%減少し、騒音は周辺の交通騒音と同等レベルで、振動は無感知レベルに抑制した。また、施工性についても、ワイヤソー切断と連続コア削孔を併用する従来の切断解体工法と比べ、作業時間が約40%縮減可能なことを確認している。

「基礎躯体クールカット」の仕様 出典:清水建設プレスリリース

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