戸田建設は、解体工事に伴う騒音や振動、粉塵を低減する解体補助工法「マスホット工法」を開発した。
戸田建設は、千代田エレクトロニクスとともに、マスコンクリートの解体工法である「マスホット工法」を、東京都中央区で現在施工している新TODAビル計画に伴う解体工事に適用したことを2020年10月20日に発表した。
近年、建造物の工事着手前に、既存構造物を除去する解体工事が必要なケースが増加している。既存構造物の中でも、RC造のような堅牢な躯体の解体工事では、大型のブレーカーを用いる工法が一般的だが、作業に伴う周辺環境への工事振動の対策が求められている。さらに、地下部分の工事は、狭い空間での作業となり、大型機械の使用が制限されている。そこで、戸田建設は、地下のRC造建造物における解体の効率化と周辺環境に及ぼす影響の低減を目的に、通電加熱による解体補助工法マスホット工法を開発した。
新工法は、RC構造物を対象としており、鉄筋に直流電流を流して鉄筋温度を1000度以上に加熱し、発熱による鉄筋やコンクリートの膨張によって、コンクリートにあらかじめひび割れを生じさせ、コンクリートと鉄筋の付着強度を低下し、解体作業を容易にする。
具体的には、通電加熱によりコンクリートの付着強度が3分の1程度まで低下させ、施工効率を向上するとともに、解体作業時のブレーカーによって発生する振動や騒音、粉塵(ふんじん)を減らせる。また、施工部位の鉄筋へ電源ケーブルを接続すれば作業を進められるため、地下部分などの狭い空間で適用が可能。さらに、使用する重機が小さくなり、圧砕による重機負荷を低減し、重機作業における二酸化炭素排出量のカットが期待できる。
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