矢野経済研究所は、住宅リフォーム関連事業者を対象に、国内住宅リフォーム市場の動向について調査したレポートを発表した。調査結果をもとに、2021年の住宅リフォーム市場規模を前年比3.3%増の6.7兆円と予測している。
矢野経済研究所は、住宅リフォーム関連事業者を対象に、国内の住宅リフォーム市場動向について2021年4〜7月に調査し、リサーチ結果を2021年7月26日に発表した。
調査結果によれば、2020年の住宅リフォーム市場規模は、前年とほぼ横ばいの6兆5298億円。分野別にみると、10平方メートル以上と以下の「増改築に関わる費用」は前年比で11.5%減となり、「設備修繕・維持管理費」は同比0.3%増で、「家具・インテリアなど」は同比7.6%増となった。2020年は新型コロナウイルスの感染拡大を契機とした緊急事態宣言の影響で、一時はマイナストレンドとなったものの、在宅時間が増加したことで住空間の改善への支出が増加し、結果として前年とほぼ横ばいで推移した。
具体的には、2020年の住宅リフォーム市場は、2020年4月の緊急事態宣言発出により、多くのリフォーム事業者は営業自粛などの対策をとることとなり、市場は落ち込んだ。しかしながらその後、状況は一転し、在宅時間の増加で住宅へ関心をもった消費者が増加し、リフォーム需要は回復した。2回目以降の緊急事態宣言下では、リフォーム事業者が、感染拡大防止策を徹底し通常の営業活動を行ったことやオンライン商談が浸透したこともあり、従来と変わらずリフォーム工事が実施された。
今後、コロナ禍で芽生えた住空間への関心をこのままリフォーム需要として顕在化できれば、リフォーム市場は堅調に推移するとみられる。
2021年の住宅リフォーム市場規模は前年比3.3%増の6.7兆円とし、翌2022年は6.9兆円(同2.1%増)と予測した。今後、新型コロナウイルスの影響で、外出自粛やテレワークの普及により在宅時間が増加し、住宅への関心が高まり続け、リフォーム需要の底上げが実現すれば、2021年以降も市場は手堅く伸長していく見通しだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.