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» 2021年09月13日 11時00分 公開

長谷工が分譲マンションの管理組合向けにWebサービス提供、“理事会無し”で合意形成が可能にマンション管理

長谷工グループは、分譲マンションの管理組合で現在、新型コロナウイルス感染症の影響で理事会を開きにくいことや修繕計画などで住民間の合意形成が難しくなりつつあることを受け、区分所有者向けにWeb上でコミュニケーションを図れる新サービスを提供する。

[BUILT]

 長谷工グループは、分譲マンション管理組合向けの受託サービス「smooth-e(スムージー)」の初期開発が完了し、2021年8月よりサービス提供を開始する。

 smooth-eは当初、長谷工コミュニティが管理受託するマンションのうち首都圏及び関西圏の管理組合計10数件で順次導入を進めつつ、さまざまなニーズに応えられるように追加機能の開発も行っていく。

理事会の無い「第三者管理方式」を採用、Webを介して合意形成

 現在、分譲マンションで管理組合の多くは、区分所有者が輪番で役員に就任し、理事会を構成しながら運営にあたっている。しかし、昨今の社会情勢が変化する中にあっては、「マンションの経年劣化に伴う修繕工事に対する専門的な対応の必要性」「コロナ禍における理事会招集」「役員業務を担う上での時間的拘束」「担うべき責任の重さ」「区分所有者間の合意形成の複雑さ」「高齢化に伴う役員の成り手不足」など、管理組合の運営に対する負担を感じている区分所有者が少なくない。

 今回、長谷工グループがサービスを提供するsmooth-eは、区分所有者の不安や負担をできる限り解消することを目指し、より良い住まいの在り方を実現すべく「分譲マンションの“住まい方改革”の実現と管理運営満足度の向上」サービスとして開発。長谷工グループのIT投資戦略プロジェクトである「FIT−PJ(フィット・プロジェクト)」でのサービス開発チームによる実証実験をもとに、ウルシステムズやコンセント、ケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズの協力を得て実用化に至った。

「smooth-e」のコンセプトイメージ 出典:長谷工コミュニティ公式Webサイト

 smooth-eの特徴は、マンション暮らしの身近なテーマから、「あったらいいな」というアイデアや困りごとについて、区分所有者全員がスマホアプリやWeb上で投稿や検討をすることができる。賛同が多いアイデアはオンライン上で投票して、より良い合意形成につなげ、スムーズかつイージーにマンションの付加価値向上を図る。

「smooth-e」のイメージ 出典:長谷工コミュニティプレスリリース

 また、全区分所有者へ情報オープンに公開することで、例えば修繕工事が完了すると、長期修繕計画がその都度更新されるため、常に最新の修繕計画と進捗が可視化され、資金不足のリスクにも早期に対応しやすくなる。さらに、これまで理事会内での回覧などにとどまっていた管理状況は、月次報告として長谷工コミュニティのマンション専用Webサービス「素敵ネット」のアップロードし、Web上で全区分所有者に公開することで、今まではマンション管理への関心を呼び起こすことにつなげる。なお、素敵ネット上では、生活情報やコミュニティ情報、暮らしのカレンダーなどを確認できるほか、共用施設の予約など、マンションに関するも行える。

修繕計画と進捗が可視化される「smooth-e」 出典:長谷工コミュニティプレスリリース

 smooth-eでは、区分所有法で定められた管理者を非区分所有者の外部専門家が担当する管理方式「第三者管理者方式」を採用。区分所有法上の管理者は、長谷工グループで分譲マンション管理事業を行っている長谷工コミュニティが担う。

 これにより理事会を非設置とし、単に理事会を廃止するだけではなく、第三者管理者方式でも多くの区分所有者にマンション管理に関心を持ってもらうため、smooth-eで、最新の修繕計画や管理状況をWeb上で情報公開するとともに、計画的な修繕工事の企画・立案・予算管理については長谷工コミュニティに委ねるという、管理組合運営の在り方を変革し得るサービスと位置付けている。住民は修繕工事計画の策定など専門性の高いことは、長谷工コミュニティに任せ、長谷工コミュニティから提案されたアイデアを住民全員で話し合い。最終的に住民投票で、実施可否を決定する。

 マンションの管理組合で問題になりがちな会計処理は、公認会計士がチェックするため、これまで以上に修繕積立金などの透明性のある管理組合の会計運営が可能になる。

 長谷工グループでは、smooth-eの導入先を50〜150戸前後のルールづくりや共用部の改善などが望まれているマンションや実効的な長期修繕計画を策定するため、築20年未満のマンションが適しているとし、まずは長谷工コミュニティと契約している物件からはじめ、2022年からは対象を拡大していくとしている。

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