そして、ファシリティマネジメントフォーラム 2021では、SDGs/ESG シンポジウム「SDGsから考えるFMの未来」をスタジオからWeb配信しました。SDGsから考えるFMの未来では、デロイト トーマツ コンサルティング 山田太雲氏、ニューラル 夫馬賢治氏、ファシリティデザインラボ 似内志朗氏、コクヨ 齋藤敦子氏が出演し、シンポジウムの内容は2021年2月発行の「JFMA ジャーナル 202号」に掲載されました。
ファシリティマネジメントフォーラム 2021の前後には、SDGsタスクフォースのメンバーが、「ミライの兆し」と名付けたワークショップを開き、120枚の情報カードを作成して、SDGsタスクフォース同士の情報共有とSDGsの在り方を議論するとともに、「一般企業などの就業者」と「JFMA会員」にアンケート調査を実施し、その特徴を認識しました。それらの結果は、2021年8月に発刊したA4サイズ・全186ページの報告書「SDGsで変わるファシリティマネジメント 〜JFMA SDGsタスクフォースレポート2021」に掲載しています。
報告書は、FMとSDGsに興味のある方に必見のレポートです。購読希望者はJFMAのHPよりお申し込みください。
続いて、ユニバーサルデザイン研究部会を紹介しましょう。研究部会では、2003年発足当時から似内志朗氏(現調査研究委員長)が部会長を務めています。FMを実践していく上で、ユニバーサルデザイン(以下、UD)は重要な要素です。かつてはバリアフリーで、既存のバリア(障害物)を取り除くという発想でした。
しかし、障害や年齢の有無にかかわらずできるだけ多くの人が使えるデザインを目指し、「全ての人のためのデザイン」という発想が生まれました。1980年代に米国ノースカロライナ州立大学のロナルド・メイス氏が提唱した7つの原則がUDの原点とされています。近年でいうダイバーシティーの実践やインクルーシブデザインのベースとなる考え方であるといえるでしょう。
UD研究部会の発足当時は、世界的に見てもオフィスを対象としたUDに関する情報が十分にありませんでした。そこで、この研究部会では、(1)UD ガイドライン、(2)UD 総合評価手法(CASUDA)、(3)UDレビューの考案といった3つの手法の検討・開発を進めました。当研究部会の調査研究報告書には下記の5点があります。
この活動と成果はまさに賞賛(しょうさん)に値するすばらしいものでした。この5年ほど、当研究部会では、部会長の似内氏が、先に紹介した「健康経営タスクフォース」「SDGsタスクフォース」のリーダーを兼任していたこともあり、「人」を中心に考えるユニバーサルデザインとの分野的な親和性が高く活動が重複していたため、部会固有の活動はあまり行っていませんでした。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.