さらに、BuildeeのパスワードでLINE WORKSへのログインが可能になるシングルサインオンを実現し、パスワードの暗記や保管する手間を減らす。シングルサインオンは、複数のICTサービスでセキュリティ確保のために都度求められるIDとパスワードの入力を省くのに有効で、作業時間の短縮にもつながるとされている。
「今後、約1年をかけて、BuildeeとLINE WORKSの連携をさらに深める。一例を挙げると、Buildee上に作業指示や巡回の記録などを登録すると、LINE WORKSを介してその情報を関係者に自動通知する機能を開発中で、2021年10月にリリースする」(東氏)。
Buildeeには、メールによる通知機能があるが、LINE WORKSでの通知が加わることで、よりリアルタイムに連絡や情報共有が行えるようになる。
LINE WORKS上の会話に自動で返答する「チャットbot(ボット)」を活用し、botとのやりとりをBuildeeに登録・蓄積する機能も開発中で、2022年1月頃の提供開始を見込んでいる。この機能が実現すると、作業に関する情報をLINE WORKS上でユーザーがつぶやくだけで、内容がBuildee上に日付や時間など込みで登録されるようになる。
東氏は、上記のようにLINE WORKSを経由しながらBuildeeと作業員の情報を蜜に相互連携するような機能を今後も充実させていくとした。
Buildeeが連携するLINE WORKSは、建設・不動産業の従業員が利用者全体の29%を占め、業種別では最も大きい割合だ。ユーザーには、大手ゼネコンや地場ゼネコン、リフォーム会社、工務店、ハウスメーカー、建材商社などが連なっており、Buildeeのユーザーと重なる部分がある。
さらに、建設業ではLINEも多く利用されている。ワークスモバイルジャパンの大北氏は、「施工管理者、現場作業員、職人など3105人を対象にした当社のアンケート調査では、施工管理者で全体の34%が、現場作業員では45%の人がLINEを使用していることが分かった」とコメントした。
上記のアンケートでは、建設業で多くのユーザーがLINEを使っているにもかかわらず、LINEの利用が会社に認められているのは全体の25%で、他の会社では公認されていないことも判明した。現場管理者のLINE利用を認めない会社の29%は「セキュリティに不安がある」を理由に挙げている。
LINE WORKSは、名称にLINEが入っているがLINEとは運営母体が異なり、サービスの基盤となるシステムも違う。システムのメリットは、強固なセキュリティ機能が施され、業務でも安心して使える点だ。Buildeeとの連携によって、今までLINEを使用していた建設業のユーザーがLINE WORKSを活用することが想定されるという。
大北氏は、LINE WORKSの利点として、デザインや操作性はLINEを踏襲し、導入に際して特別な教育や研修などが必要ないことを列挙。加えて、「LINE WORKSとLINEは相互に連絡をとれる。一例を挙げると、協力会社の担当者がLINEを利用していてもLINE WORKSとLINEを使い分ける必要がない」と触れた。
さらに、「LINE WORKSは建設業に特化したツールではない」としながらも、「Buildeeとの連携によって建設業の生産性向上に寄与したい」と意欲を見せた。
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