NEXCO中日本は、次世代技術を活用した高速道路保全マネジメントの取り組み「i-MOVEMENT」の一環で、高圧水を使ってコンクリートを自動で削り取る「ウォータジェット“はつり”装置」を日進機工と共同で開発した。
NEXCO中日本は、日進機工と共同で、高圧水を使ってコンクリートを自動で削り取る「ウォータジェット“はつり”装置」を開発したことを2021年4月28日に発表した。
橋梁(きょうりょう)のコンクリート床版を補修する場合には、作業員がコンクリートブレーカーを使用して部分的に劣化した範囲のコンクリートを手動で削り取る方法が一般的に採用されているが、コンクリートを削り取る際の騒音による作業時間の制約やコンクリートブレーカーの振動に伴う床版の損傷などが課題となっている。
そこで、NEXCO中日本では、「コンクリート構造物のはつり作業における低騒音・低振動を可能とする技術」に関する提案を公募し、応募された提案内容を検討した結果、日進機工から提案された「ウォータジェット“はつり”装置」を開発することとし、日進機工と共同で開発を進めてきた。
ウォータジェットはつり装置は、橋梁上での工事で生じる騒音が約75デシベル(db)で、作業時間帯の制約が無く、コンピュータ制御により仕上がり面は平らで滑らかなものを実現し、振動の影響が少なく対象に損傷も発生しない。
作業手順は、削り取る作業を行う場所に装置をセットし、施工範囲の座標を入力した後で、ウォータジェットを稼働させる。次に、削り取る箇所が点在する場合は、削り取る位置に装置を移す。装置のセットは手動だが、コンクリートの削り取りはウォータジェットはつり装置が自動で対応する。
安全性に関しては、作業中に人手がかからないため負傷リスクが少なく、コンクリートの削り取りを実施する時には、防音パネルで指定のエリアを密閉するため、車両が走行する車線にコンクリートの破片が飛散しない。
今後、NEXCO中日本は、ウォータジェットはつり装置を高速道路上の補修工事で導入し、現場での適応性などを検証した上で本格的に展開する予定だ。
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