NECファシリティーズは、工場設備の異常予兆検知や点検・保全管理業務をサポートするサービス「NEC DX Facility Management Service」を開始した。
NECファシリティーズは、工場設備の異常予兆検知や点検・保全管理業務をサポートするサービス「NEC DX Facility Management Service」の提供を開始し、併せて同サービスの1つとして異常予兆検知システム「NEC DFM Presagio」も開発し、施設管理事業の業容拡大につなげる。
現在、工場の施設管理業務は、熟練技術者の五感による点検と判断によって作業品質を確保しているケースが多いが、熟練者の育成には時間とコストがかかってしまう。さらに、労働人口の減少により作業員の採用が難しい他、施設の老朽化による生産ラインの突発的な停止やエネルギー効率の低下、運用コストの増大といったリスクも高まっている。
上記の問題を解消するために、NECファシリティーズは、NEC DX Facility Management Serviceを開発。NEC DX Facility Management Serviceは、施設管理業務最適化サービス、異常予兆検知・保全サービス、エネルギー原単位管理サービス、設備投資計画作成支援サービスといった4つのサービスを体系化したもので、工場設備の管理をトータルで効率化する。
具体的には、工場に設置したセンサーで取得したデータや既存の監視システムからのデータ、点検・保全作業などの情報を一元管理し、専用のAIが分析と判定をすることで、高度な施設管理を支援し、工場の安定稼働と運用管理でのコストダウンを図る。
今回のサービスを実現するために、NECファシリティーズは、2019年度に実証実験を開始した「回転機器の振動データを収集・分析するシステム」を基に、異常予兆検知システムのNEC DFM Presagioを開発した。
NEC DFM Presagioは、施設を管理する仕組みに3Dウォークスルービューやリアルタイムの映像監視システムを使用し、場所を選ばずPCなどで設備の配置を見渡せるため、遠隔地にいる管理者が現場の状況をチェックすることや新規に配属された現場管理者と作業者が設備の状態を理解することにも役立つ。
また、回転機器の設備に振動センサーを設置することで異常の予兆を感知する。これは、同社が20年間蓄積した28万件の振動測定値と閾(しきい)値データを活用し、熟練者のノウハウをNEC DFM PresagioのAIに学習させ、閾値を自動的に算出することで実現している。異常を早期に発見することで、設備の突発的な停止を防ぎ、設備の故障が重篤化する前に保全作業を行えるようになり、メンテナンスコストの抑制につなげられる。
既に、NECファシリティーズは、NEC DFM Presagioを活用した点検・保全サービスの運用をNECの玉川事業場と府中事業場で開始している。
同社は、NEC DFM Presagioを含むNEC DX Facility Management Serviceで、将来的には各拠点に人員を配置する常駐管理方式を指定したエリアのセンターに一部人員を集約させる遠隔管理に変更し、多くのユーザーに高品質な施設管理業務を提供して、2025年度までに施設管理事業の売上高で300億円を目指す。
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