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» 2021年06月09日 09時00分 公開

盛土式ホーム向けの新たなホームドア基礎構造、全工程が人力で可能施工

東急建設は、盛土式のホーム向けに、「スパイラル杭」と「高強度繊維補強床版」を使用したホームドア基礎構造を開発した。今後、同社は、盛土式ホームに対して低コストで効率的な今回のホームドア基礎構造を展開する。

[BUILT]

 東急建設は、盛土式のホーム向けに、「スパイラル杭※1」と鋼繊維を配合した高強度の床版「高強度繊維補強床版」を用いたホームドア基礎構造を開発したことを2021年3月19日に発表した。

※1 スパイラル杭:鋼板(FB-12×100ミリ)をねじり加工しスパイラル状にしたもので,道路標識の基礎などに用いられているもの。重量が軽く、スパイラル状になっていることから人力による回転貫入で施工が可能

ホームドア1筐体あたり約15%程度のコストカット

 近年、駅利用者の転落事故防止対策として、ホームドアの設置が進められている。既存のホームにホームドアを取り付ける際には、ホーム構造(盛土式、RC構造物、鋼構造物)に応じ、ホームドア荷重に耐える基礎構造が必要となる。盛土式ホームでは、ホームドア荷重を支持する基礎構造として杭基礎構造を用いることが一般的だが、杭打機などの重機が必要となるため、ホーム上の作業スペースや搬入出ルートの確保が課題となっていた。

 解決策として、東急建設はスパイラル杭と高強度繊維補強床版を組み合わせたホームドア基礎構造を開発した。今回のホームドア基礎構造は、スパイラル杭と高強度繊維補強床版を用いることで、全工程において人力のみで施工ができる。

スパイラル杭と高強度繊維補強床版を用いたホームドア基礎構造のイメージ図  出典:大成建設

 スパイラル杭は、1本当たりの重量が約30キロと軽く、人力による運搬や回転貫入による打設に応じている。高強度繊維補強床版は、従来のホーム床版と比較し薄く軽量な素材であり、繊維補強材であることから杭結合に必要となるコア削孔が杭の打設位置に合わせて自由に行える。

スパイラル杭打設の施工状況(左)と高強度繊維補強床版の設置状況(右) 出典:大成建設

 また、今回のホームドア基礎構造は、重機が必要無いため、騒音や振動、CO2発生量の軽減、施工生産性と安全性の向上に加えて、従来工法と比較してホームドア1筐体当たり約15%程度のコストカットを実現する。

 東急建設は、2020年3月に東急大井町線戸越公園駅の一部ホームドアに今回のホームドア基礎構造を実装している。

一般的な基礎構造(左)とスパイラル杭と高強度繊維補強床版を用いた基礎構造(右) 出典:大成建設

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