D2Cを本格化、顧客参加型商品開発プラットフォーム「DAIKIN LAUNCH X」開設空調機器(1/3 ページ)

ダイキン工業は、ユーザーの意見を掬い取れる商品開発プラットフォーム「DAIKIN LAUNCH X」を開設し、本格的にD2C(Direct to Consumer)モデルに取り組む。

» 2019年11月06日 07時00分 公開
[遠藤和宏BUILT]

 ダイキン工業は2019年11月1日、開発中の製品に、一般消費者が意見や評価を与えられるオンラインプラットフォーム「DAIKIN LAUNCH X」をWeb上にオープンした。

アジャイル型商品開発を前進

 DAIKIN LAUNCH Xは、主に開発中の商品を公開し、ユーザーの声を収集する「Ready Product」と、Ready Productで集めたデータを基に完成させた商品などを販売するオンラインショップの2つで構成されている。

 商品によっては、クラウドファンディングを活用し、支援者を募ってから生産を開始する。これらの取り組みを通じて、移り変わる顧客のニーズを確かめられる体制を強化し、用途や使われ方の変化に合わせて改良を重ねていく、“アジャイル型の商品開発”を前進していくという。

開発中のコードレス脱臭機「LOOP STREAMER」

 Ready Productの第1弾として、開発中のコードレス脱臭機「LOOP STREAMER」とポータブルエアコン「Carrime」を公表し、意見を募集する。LOOP STREAMERは、ダイキン工業のエアコンや空気清浄機にも搭載されている独自の空気清浄技術「ストリーマ放電」を応用した狭小空間向けの脱臭機。

LOOP STREAMERの使用イメージ

 ストリーマ放電で発生する分解素を柔らかい気流で周囲に放出し、衣類などの付着臭を取り除く。備え付けられた脱臭フィルターは、臭いのもととなる物質を吸着させるため、空気中の臭気を除去する。フィルター自体はストリーマ放電で、処理されるため、異臭が残らず、脱臭機能も持続する。

 クローゼットやシューズクロークなどの狭いスペースに対応した設計で、約2畳をカバーする。充電式バッテリーで稼働するため、コンセントが無くても使える。

 本体サイズは、約160(幅)×240(高さ)×60(奥行き)ミリで、価格は未定。2020年中のリリースを目指している。

ポータブルエアコン「Carrime」

 Carrimeは、エアコンの設置が難しいキッチンや洗面所、ガレージなど、さまざまな場所に待ち運べるヒートポンプ式のポータブルエアコン。これまでのエアコン開発で培ったヒートポンプ技術を生かすことで、吹き出し口から周囲の気温よりも7度低い冷風を放出することを実現している。

 業務用エアコン「MULTI CUBE」にも組み込まれている「ハニカム整流板」を取り付けることで、約50センチ離れた地点でも周りの温度と比べて7度涼しい体感温度を維持する。

 スリムでコンパクトな設計となっており、形状は持ち上げた際に安定しやすいタワー型。白を基調とした本体と、レザー調の持ち手で、インテリアになじみやすいデザインにしているという。本体サイズは約190(幅)×400(高さ)×190(奥行き)ミリ。

 クラウドファンディングサービス「Makuake」を初利用し、300台以上の支援獲得を商品化の条件として、2020年6月の上市を見込んでいる。価格は、Makuake上で、6万円(税別)。

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