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» 2021年03月16日 09時00分 公開

中間層免震建物に導入できる高減衰ゴム製ブロックの緩衝装置、大林組導入事例

大林組は、中間層免震建物に導入できる高減衰ゴム製ブロックの緩衝装置「免震フェンダー」を開発した。今後、同社は、免震フェンダーを免震建物における想定以上の地震に対するフェイルセーフ機構としてユーザーに提案する方針を示している。

[BUILT]

 大林組は、中間層免震建物の構築を目的とし、東京都中央区の日本生命日本橋ビルに、改良した高減衰ゴム製ブロックの緩衝装置「免震フェンダー」を適用した。

屋内に設置された家具の転倒を抑制し免震装置の損傷を防止

 免震フェンダーは、大林組が2017年に開発したもので、基礎免震建物において建物の構造設計で想定した以上の地震が発生した場合に、建物利用者の安全性を確保するもの。地震が生じた時に、建物が大きく動くことで擁壁に衝突する際の衝撃力を緩和する役割を果たす。

 これまで、大林組では、設計した複数の建物に免震フェンダーを導入してきたが、免震層を1階床より上に設ける中間層免震建物に対しては、免震層が擁壁に囲まれていないため免震フェンダーを適用できなかった。こういった施設では、想定以上の地震が起きた時に、免震装置が限界変形量を超えて損傷することと、狭あいな敷地の建物が隣接する物件と衝突するリスクがあった。

これまでの基礎免振タイプ(左)と中間層免震タイプ(右)の免震フェンダー 出典:大林組

 そこで、大林組は、免震層上部の建物から伸ばした束材(つかざい)の周囲にストッパーを設け、免震フェンダーをリング状に配置することで、中間層免震建物にも適用可能にした。束材とは、垂直に立つ部材で、上下の階をつなぐほど長くないものを指す。

中間層免震層への新型免震フェンダーの設置図 出典:大林組

 中間層免震建物に免震フェンダーを搭載することで、予想以上の地震発生時に免震層上部の建物がどの方向に動いた場合でも、束材が免震フェンダーに触れて可動変形量に制限をかけるため、屋内に設置された家具の転倒を抑制し、免震装置は損傷せず、かつ近隣の建築物への接触を防げる。

 また、新型の免震フェンダーには、従来品と同様に住友ゴム工業協力のもと開発した高減衰ゴム製ブロックを採用している。高減衰ゴム製ブロックは、ゴム製ブロックと施設への装着用の鉄板によるシンプルな構成であるため、運搬や取り付け、取り外しが容易で廉価だ。

 大林組が日本生命日本橋ビルに新たな免震フェンダーを導入した際には、施設の1階と2階の間に設けた免震層に過大変形防止用のリング状ストッパーを装着し、リング状のストッパーは過大変形時にも建物にねじれが生じないようにバランス良く配置した。

日本生命日本橋ビルでの新型免震フェンダーの設置状況 出典:大林組

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