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» 2020年09月30日 09時00分 公開

耐震:従来比2倍の最大減衰力を発揮する制震オイルダンパー「HiDAX-e」高耐力型、鹿島

鹿島建設は、建物用制震オイルダンパー「HiDAX-e」を改良し、従来品と比較して2倍の最大減衰力を発揮する高耐力型を開発した。高耐力型は、1台で従来型の2台分に相当する減衰力を備えているため、装置台数や設置スペースの削減が可能で、建物内のスペースを占有することなく、耐震性能を高められる。

[BUILT]

 鹿島建設は、センクシアと共同で、建物用制震オイルダンパー「HiDAX-e」をアップグレードし、1台で従来型の2台分に相当する最大減衰力4000キロニュートンの高耐力型を開発した。

装置直径は430ミリで従来品と比べ耐力が2倍向上

 鹿島建設は2000年、オイルダンパーに組み込んだ制御弁を独自技術で電気制御し、制震効率(振動エネルギー吸収効率)を一般のオイルダンパーと比較して約2倍に向上させた高性能オイルダンパー「HiDAX-s」を開発した。

 また、2005年には、コストパフォーマンスに優れる電気不要の制震オイルダンパー「HiDAX-e」を、2015年には、世界初のエネルギー回生システムを導入した制震オイルダンパー「HiDAX-R(Revolution)」をそれぞれ実用化した。HiDAXシリーズは40件を超える超高層ビルに適用され、地震・強風観測により優れた効果も実証されている。

高耐力型の「HiDAX-e」 出典:鹿島建設
従来型(左)と高耐力型(右)の「HiDAX-e」の性能イメージ 出典:鹿島建設

 今回、開発したHiDAX-eは、従来型と比較して、最大減衰力が2倍の4000キロニュートンに高めているため、設置台数や設置スペースを減らせ、建築計画や設備計画の自由度を高められる。実大装置の加力実験では、高耐力型が従来型と比較して約2倍の減衰力を発揮することを確かめている。

従来型の約2倍の減衰力を発揮することを実験で確認(黄色の履歴面積が吸収エネルギー量を表す) 出典:鹿島建設

 また、内部の油圧機構や筐体、取り付け部を最適に設計することで、装置直径は、従来の340ミリと比較して大きくなったものの、430ミリに抑えているため、これまでのオイルダンパーと同様に使えながら、耐力は従来比で2倍に向上している。

 油圧回路部分は、これまでHiDAXシリーズで培ったノウハウを生かし設計しており、地震の振動エネルギーを高効率に吸収する。さらに、鹿島建設の調査により、風による振動や大地震、揺れの継続時間が長い長周期地震動などに有効なことが判明している。

 今後、鹿島建設は、HiDAX-eを同社が使用する制震システムの中で主力機種として位置付ける。加えて、HiDAXの全シリーズを4000キロニュートンの高耐力型にバージョンアップしていく。

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