オフィス就業者の働き方に寄り添う日立のスマホアプリ、基盤の「spaceOS」創業者らが可能性を語るHitachi Social Innovation Forum 2020 TOKYO ONLINE(3/4 ページ)

» 2021年02月15日 05時18分 公開
[石原忍BUILT]

ニューノーマルにワーカーが求めるオフィス像

 2つのプラットフォームのうち、講演でフォーカスした就業者向けサービスプラットフォームには、アプリケーション、プラットフォーム、エコシステムの3つの特性がある。

 その一つアプリケーションは、情報配信や食品・物品が注文できる「オフィスコンシェルジェ」、ビジネスマッチングなどの「コミュニティー」、入退室管理や空調制御といった「ビル設備連携」などの機能を備える。

就業者向けサービスプラットフォームの概要

 プラットフォームでは、複数ビルを横断した就業者のID管理、就業者の性別や年代などに寄り添ったサービスを可能にする属性情報の管理、キャッシュレスでのオフィス生活を実現する課金・決済管理などのシステムが紐(ひも)づいている。

 3つ目のエコシステムは、サービスを継続的に進化させるシステムとして、サービスの追加や拡張するために不可欠なオープンなアーキテクチャ、他のサービスとも連携するオープンAPI、サードパーティーなど各ステークホルダーとの連携といったサービスプラットフォーム自体の優位性を指す。

専用スマホアプリのデモ。管理会社からのお知らせ通知
専用スマホアプリのデモ。カフェへの注文と支払い画面

グローバルでユーザーが広がるspaceOSの可能性

海外からリモートでの参加となったマルコフスキー氏

 日立とともに就業者向けソリューション開発に携わったSpaceOSは、創業者のマチェイ・マルコフスキー氏がリモートで参加した。同氏は、長年不動産サービス会社に関わった経験を基に、自らベンチャーを立ち上げ、現在ではスタートアップから成長し、今ではスケールアップ企業としてオフィスビルのIT分野においてグローバルでリードし続けている。直近では、ドイツの資産運用会社Commerz Realと契約を交わし、墺Immofinanzや独Uniconを筆頭に、欧米のビルに働き方改革やオフィスワーカーの利便性をもらたすスマホアプリと開発者向けオペレーティングシステムのSpaceOSを提供しているという。

 マルコフスキー氏によれば、「SpaceOSは日本版に先駆けること11カ国語で提供しており、日立との協業により、アルファベット言語以外での初のリリースとなった」と話す。

グローバルで利用が広がるspaceOSユーザーとパートナー企業

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