LIXILとコマニーがトイレ空間のBIMモデルを開発、寸法の調整で干渉性の確認も可能:BIM
LIXILは、コマニーと共同で、パブリックトイレ空間のBIMモデルを開発した。BIMモデルは、5種類のタイプを備えており、各BIMモデルは寸法を調整することで、円滑に行動ができるトイレ空間なのかを確かめられる。
LIXILは、パーテンションメーカーのコマニーと共同で、パブリックトイレ空間のBIMモデルを開発し、2020年11月2日に両社の公式サイトで提供を開始した。
両社が開発したパブリックトイレ空間BIMモデルは、トイレ空間の構成要素である便器や周辺アクセサリー、トイレブースを一体化させたもの。ユーザーは、このBIMモデルを利用することで、BIMモデルの作成に要する手間を省けるだけでなく、各BIMモデルの寸法を調整することで、人がストレスなく動けるかの検証と干渉性をチェックできる。
LIXILとコマニーが共同開発したBIMデータのイメージ、「簡易車いす対応トイレ_R」(左)と「一般トイレ_R」(右) 出典:LIXIL
さらに、「福祉のまちづくり条例」やバリアフリー法「高齢者、障害者などの円滑な移動などに配慮した建築設計標準」の基準を満たしているため、法規制に準じたトイレ空間の設計にも役立つ。
BIMモデルのタイプは、「一般トイレ」「乳幼児連れ対応トイレ」「簡易型車いす対応トイレ」「オストメイト対応トイレ」「多機能トイレ」の5種類を用意している。各タイプのBIMモデルは、パッケージ化されており、データを選択するだけで使える。
LIXILとコマニーが共同開発したBIMデータのイメージ、「乳幼児連れ対応トイレ_R」(左)、「オストメイト対応トイレ_R」(中央)、「多機能トイレ_L」(右) 出典:LIXIL
また、手すりや背もたれの有無やトイレブースの色、ブース扉における開閉の表示切り替え、トイレブースの寸法調整や洗浄スイッチ、紙巻器などアクセサリー類の位置調整にも応じている。初期値における各種アクセサリー類の配置は、工業規格「高齢者・障害者配慮設計指針」に準ずる。
手すり・背もたれの表示切り替え(左)とトイレブースの寸法調整(右)のデータイメージ 出典:LIXIL
LIXILのパブリックトイレ事業では、2020年11月時点で、トイレ単体だけでなく、手洗い場を含む洗面設備、手すり、紙巻器などのアクセサリー類、各種施設向け器具の約500品番といった約2200点のBIMデータを提供している。各BIMモデルの特徴は、品名や品番、使用水量、電気容量など、仕様情報の他、給排水設備の設計に必要な給排水負荷単位も属性情報としてデータに付与している点。洗面器の数量や間口が可変・調整可能な洗面カウンターのデータもRevitのファイル形式で提供している。
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