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» 2021年01月28日 09時00分 公開

大成建設が希少動植物の保全計画立案を効率化するツールを開発製品動向

大成建設は、水辺に生息する希少動植物の保全を支援するツール「水辺コンシェルジュ」を開発した。水辺コンシェルジュは、タブレット端末を介して、保全計画策定に必要な情報を分かりやすく表示し、関係者とのスムーズな合意形成と情報共有を実現して、希少動植物が生息できる適切な候補地の選定といった保全計画の立案を後押しする。

[BUILT]

 大成建設は、水辺に生息する希少動植物の保全が可能なエリア創出の検討といった計画の迅速な立案をサポートするツール「水辺コンシェルジュ」を開発した。

希少動植物に適した環境条件と移動時期を表示

 生物多様性条約や愛知目標の採択を受け生物多様性を持続させることの重要性が高まる中、建設工事では希少動植物保全への配慮が必要となっている。建設事業地内に希少動植物が生息している場合には、生息できる代替地の創出や移植の時期に関して、できるだけ早い段階から計画・立案し、関係者間で情報共有することが望まれている。

 そこで、大成建設は、独自のデータベースを基に、保全計画で求められる情報を迅速に提供できるツールの水辺コンシェルジュを開発した。水辺コンシェルジュで使用したデータベースには、建設事業が携わることが多い里山の水辺に生息する希少動植物を対象に、保全で必須な日照、水域、土質などの環境条件や生息可能なエリアに関する専門家の知見を集積した。

「水辺コンシェルジュ」のワークフロー 出典:大成建設
「水辺コンシェルジュ」の出力例 出典:大成建設

 水辺コンシェルジュは、タブレット端末を介して、希少動植物の名称を選択するだけで、水辺の環境条件や移動と移植に適した時期などの情報を分かりやすく表示する。また、希少動植物を移動・移植する水辺の適地について、地理情報などのオープンデータを用いて評価。

 具体的には地形的要素や動植物の搬送性、維持管理のしやすさなどを考慮して、評価指標から選定し、定量的に評する。結果、詳細な現地調査ができないケースでも、希少動植物が生息できる水辺の候補地を適切に絞り込める。

 さらに、従来は現地調査や専門家へのヒアリングなどを行った上で保全計画を立案していたため、検討期間に約1カ月を要していたが、水辺コンシェルジュにより、約1週間で必要な情報を提供することが可能になり、早期の保全計画立案が容易になった。

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