パソナ・パナソニック ビジネスサービス(PBS)は、オフィスに、植物を配置し自然環境に近づけるバイオフィリックデザインなどを取り入れ、従業員の生産性向上やストレス軽減を実現するサービス「COMORE BIZ」の開発や普及を進めている。
パソナ・パナソニック ビジネスサービスは2020年2月27日、都内で、セミナー「バイオフィリックデザインの本質」を開催した。
当日の演目のうち、パソナ・パナソニック ビジネスサービス 代表取締役副社長の岩月隆一氏が行った講演「COMORE BIZ 2.0」をレポートする。
パソナ・パナソニック ビジネスサービスは2017年から、パークコーポレーションと共同で、オフィスに植物などを配置し、従業員のストレス軽減や生産性向上を果たせるサービス「COMORE BIZ」を展開している。
COMORE BIZは、ストレス低減につながる最適な「緑視率(人の視界に占める観葉植物の割合)」が10〜15%であるという実証実験の結果と、独自開発した植物のデータベースに基づき、顧客のニーズに応じたオフィス空間をデザインする。COMORE BIZ導入後に、ストレス量の変化を数値化し、顧客に提供する。
観葉植物のデータベースは、ストレスを下げる効果がある植物や集中力を増進させる植物などを網羅しており、リラックスしやすいオフィスや注意が散漫にならないオフィス作りなどに活用されている。
COMORE BIZによるオフィスのデザインでは、観葉植物の選定や内装、家具、照明の変更、ハイレゾ音源を用いた音響設計(自然界に存在する音の再現)、アロマの配置などが行われる。
効果の測定は、指先脈波の計測とアンケートで、従業員のストレス度を生理と心理の両面から数値化する。また、負担の少ない測定方法として、PCに内蔵したカメラで顔の肌色変化を読み取る技術「非接触バイオセンシング」で、ストレスの状況や疲労度合いを推定値として算出する方法も備えている。
岩月氏は、「COMORE BIZは1984年にアメリカの生物学者エドワード ウィルソン氏によって提唱されたバイオフィリア理論を土台に作り上げたサービスで、デザイン化、エビデンス化、見える化の3つをキーポイントにして、顧客に訴求している」と話す。
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