一方、顧客に繋ぐでは、従来のライセンス販売に加えて、顧客との継続的な関係構築を目的に、サブスクリプションを主軸にした新たな価格体系を設定。GLOOBE Architectの基本パッケージは年額15万円とし、GLOOBE Construction(仮設計画・土工計画)は年額各6万円、GLOOBE V-style(オプション)はライセンス販売で20万円(全て税別)。
顧客(GLOOBEユーザー)の顧客、つまりクライアントを繋ぐの意味では、GLOOBE ArchitectのオプションGLOOBE V-styleに、高品質なレンダリングエンジン「V-ray」を採用。物理ベースのレンダリング処理で、空気感のある雰囲気や細かいディテールを演出し、商業施設やマンションの提案で有効となるフォトリアルな内外観のCGパース制作ツールとなり得る。
建築・建設の全工程を繋ぐという点では、残る維持管理の領域で、FMシステム製の統合FMプラットフォーム「FM-Integration」との連携も図り、BIMとファシリティマネジメントのデータ共有も実現している。
最後にBIM商品開発室 室長 伊井教晶氏は、今後の開発方針について、「基本的な考え方としては、BIMデータを作成し、BIMを活用して、クラウドでデータ管理するという建築生産の全プロセスを繋ぐサービスを提供していく。部分的なサービスでは、部分最適化にしかならないため、全体最適化を目指したい」と語った。
そのためには、生産設計のステージは、現場にデータを供給する位置付けで、設計と施工で分断されてしまうデータの橋渡し役も担う重要なポジションでもあるとして、GLOOBE Constructionでより連携を強める機能拡張に努めていくとした。
バージョンアップの内容としては、現状の仮設計画・土工計画から範囲を広げ、杭基礎、躯体工事、防水工事、内外装、外溝など、工種を増やしていく。その上で、施工の工程を考えながらさまざまな計画を立てる生産設計は、工期や数量、予算の精度に直結するため、周辺機能の増強や各工程の紐(ひも)付けを行っていく。
伊井氏は、「工種・工程といった施工検討時に必要なモデルを“生産設計BIM”と呼称し、精度の高い生産設計BIMを作成できる環境を構築していくつもりだ。既に現場では多様なICT機器が導入されているため、そこで使用するデータが、施工計画を作れば既に出来上がっているような労せずにICT機器に繋げるシステムにしていくこそが、GLOOBE Constructionの目標だ。開発に際しては、GLOOBEユーザー会のJ-BIM研究会などを含め、国産メーカーの利点を生かし、実情をくみ取りながら、現場と近い距離で進めていきたい」と述べ、締めくくった。
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